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“自信がないわけではない”左足で衝撃の2発!! 鹿島MF柴崎「勝っていれば…」

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圧巻の2ゴールを叩き込んだ鹿島アントラーズMF柴崎岳(右)

[12.18 クラブW杯決勝 R・マドリー4-2(延長)鹿島 横浜]

 世界中に衝撃を与えた。相手は欧州王者で世界屈指のビッグクラブであるレアル・マドリー(スペイン)。しかし、鹿島アントラーズMF柴崎岳は、そのゴールを2度もこじ開けた。

 まずは先制を許して迎えた同44分に同点ゴールを叩き込む。MF土居聖真がキレのあるドリブルで左サイドを切り裂くと、折り返しに反応。「ダイレクトでは打てなかったので、トラップしようと思った」というボールはわずかに前にこぼれたが、DFラファエル・ヴァランが触れたボールに反応して左足を振り抜きネットを揺らした。

 さらに同点で迎えた後半7分には勝ち越しゴールを奪取。FWルーカス・バスケスの前に体を入れてルーズボールをキープすると、「パスコースも探していた」。しかし、寄せてくる相手選手を立て続けにかわすと、「良い形で抜け出せたし、左足のシュートに自信がないわけではないので、思い切り良く蹴った」と左足を一閃してゴールネットに突き刺した。

「ボールの行方は見えなかったけど、歓声で、皆が喜んでくれていたので入ったと思った」。圧巻の2ゴール。そして一時はレアルからリードを奪う得点にスタジアムは大歓声に包まれ、本人も「僕だけの力ではないし、チームとしての流れやプレーがあった中での得点なので、チームの皆に感謝している」と振り返りつつ、「でも、まだ試合は続くし、勝利は確定していなかった」と気を引き締め直していた。

 しかし、柴崎の2ゴールは勝利には結び付かなかった。後半15分に追い付かれたチームは、欧州王者レアルを苦しめこそしたが、延長戦で2失点を喫して力尽きた。だからこそ、「もちろん悔しさが残る試合」となった。

「2ゴールしたとはいえ、チームを勝利に導けなかったのは非常に悔しい。勝っていればもっともっと喜べたと思う。前日会見でも言いましたが、2位も最下位も変わらない。歴史的にはレアル・マドリーの名前が残っていくだけなので、そこに自分たちの名前を刻みたかった」

 レアル相手の2ゴールで“シバサキ”の名前を世界中にとどろかせた。しかし、ここで歩みを止めるわけでは、もちろんない。「得るものもあったけど、通用していない部分が多くあったので、そういうところを一つひとつクリアしていく作業をしていきたいし、もっともっと頑張らないといけない」とさらなる高みを見据えて進化を続ける。

(取材・文 折戸岳彦)

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