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相方と競い合い…筑波大DF小笠原は2年半越し、「狙い通りの」ベストDF受賞

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大会ベストDF賞を受賞した筑波大DF小笠原

[12.18 全日本大学サッカー選手権(インカレ)決勝 日体大0-8筑波大 駒場]

 二年半越しの悲願が達成された。全日本大学選手権(インカレ)で日本一に輝いた筑波大のDF小笠原佳祐(2年=東福岡高)は、大会ベストDFの個人賞を受賞。東福岡高時代から仲間たちが個人タイトルを手にしていくなか、自身は逃していたこともあり、「狙っていたとおりです」と待望の受賞に笑顔を弾けさせた。

 高校3年生で迎えた2014年夏。東福岡高の一員として、全国高校総体で優勝を果たしたが、大会優秀選手33名のうち東福岡から9名が選ばれるなか、GK脇野敦至と小笠原だけが個人タイトルを逃していた。その後に脇野は年代別代表に選ばれるなど、個人としての肩書きを増やしてはステップアップ。

 取り残されたように感じた小笠原は「11人中9人が大会優秀選手に入るなかで僕と脇野だけが入ってなくて、個人賞をもらいそびれて。何で入ってないんだろうと。もらいたいなと……そのときに脇野と話していたんです。その後に脇野は代表にも入ってすごいなと。自分の番はいつなのかなと思いつつやってきました」と明かす。

 2015年春に筑波大へ進学。2部から昇格した大学2年目の今季は、DF鈴木大誠(2年=星稜高)とCBコンビを組み、関東リーグ準優勝へ大きく貢献した。正確でスピードあるフィードを武器に存在感を示した。しかし、関東1部ベストイレブンに入ったのは鈴木大。悔しさは募った。

 リーグを経て、迎えたインカレで筑波大は決勝進出。2回戦から準決勝までの3試合で1失点に留めるなど、守備陣は奮闘していた。今大会では大会優秀選手として、各ポジション1名が選ばれるのみ。小笠原はあくまでフォア・ザ・チームを貫きつつも、その一枠を狙っていたという。

「もちろんチームのためにやることや優勝すること、早川さんのこともありましたし、小井土さん(監督)を胴上げしたいという思いが一番にありました。でもその次にはベストDFを取ることを考えていたんです」と少し恥ずかしそうに明かすとおりだ。

 日体大との決勝戦。立ち上がりこそ押し込まれたが、相手の攻撃の芽を摘んでは徐々にカウンターで流れをつかんだ。小笠原はCBとして相手の攻撃を弾くだけでなく、波状攻撃をみせる前線をみては、正確なフィードを供給。積極的にボールをつないでいった。大量8得点が決まるなど、前へ押し込むチームの攻撃の起点となった。

「(ベストDFは)一人しかないので、違いをどこで出すか。大誠はゴール前の守備、僕はフィードを飛ばしておかないと選ばれないなと思っていました。そればっかり考えていました(笑)」

 そして8-0で勝利した試合後の表彰。ベストDFとして名前を呼ばれたのは小笠原だった。待ちに待った個人賞の受賞。「結果的に8-0のゲームになったので。ゴール前で大誠は仕事をさせてもらえず、前へフィードを送りまくっていた僕がもらうことはできました。狙ったとおりです。2年半越しの……ですね」と茶目っ気たっぷりに笑う。

 小笠原が攻撃的なプレーができるのは、ライバルでもあり相方の鈴木大の存在があってのこと。それを理解し、互いを尊重しては切磋琢磨している。二人が築いているのは最高の関係。これで個人賞の数は1対1と並んだ。「次も勝負だと話してます」。筑波大の最終ラインを支える二人は、二人三脚で高みを目指す。

 来年は大学3年目のシーズン。小笠原は全日本大学選抜入りも目指している。今月24、25日には全日本大学選抜選考会があるが、そこへ入れるかどうか現時点では不透明。それでも「もしそこに選んでいただければ……下から入り込めるかどうかで、今年のデンソーチャレンジに選ばれるかどうかが決まってくる。関東選抜AかBか、全日本大学選抜か。3年目のシーズンはそこでかなり変わってくると思うので。この冬にかけて頑張っていきたいです」と誓った。

 待ちに待った個人賞。それを手にして笑顔を弾けさせたが、決して満足はしていない。相方・鈴木大との次なる勝負に胸高鳴らせ、狙うのは全日本大学選抜入り。最高の冬の先には、また新たな挑戦の日々が待っている。

(取材・文 片岡涼)
●第65回全日本大学選手権(インカレ)特集

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