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筑波大MF戸嶋「来季につなげないと意味がない」、大勝にも課題見つめる

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来季に向けて気合を入れ直したMF戸嶋祥郎(3年=市立浦和高)

[12.18 全日本大学サッカー選手権(インカレ)決勝 日体大0-8筑波大 駒場]

 日本一のために、90分間ピッチを奔走した。MF戸嶋祥郎(3年=市立浦和高)は得点にこそ絡めなかったが、前線からボールホルダーにプレッシャーを掛け、縦横無尽にピッチを走り回った。「100点満点だったら50点。チームのために走ることしかできなかったので、そういう役割はこなせた」と自身の出来を振り返った。

 立ち上がりは攻め込まれ、劣勢を強いられた。「4ー4ー2でくると思ったら4ー1ー4ー1だった」という日本体育大のシステムを受けて、声をかけあって守備を修正。「そこを耐えれれば、うちの時間帯がくると思った」。チームは徐々に攻勢を強め、MF西澤健太(2年=清水ユース)の2得点を皮切りに怒涛の8発ゴールラッシュで完封勝利。筑波大にとって、2003年以来13年ぶりの全国制覇を成し遂げた。

「得点だったり、アシストだったり、前線の選手としては結果が残せなかった」。大量得点の試合を通して、自身のシュート数は0本。見せ場をつくることができなかったことに悔しさをにじませ、「もう少し点を取りにいけたら良かった。点差は開いていたので、リスクは冒さなかった。その中で得点に絡まなければいけないので、そこは今の課題」と自身に言い聞かせるように話した。

 ベンチにはMF三笘薫(1年=川崎F U-18)、MF長澤皓祐(2年=FC東京U-18)ら注目選手も控えている。小井土正亮監督が「選手は誰がいつ出てもいいパフォーマンスをしているのが筑波大の強み」と言う通り、激しいチーム内の競争に勝つために、ピッチ上で存在価値を証明し続けるしかない。

 4年生にとってはこれが最後の大会。「ピッチ内外で僕たちを引っ張ってくれた」という先輩たちの背中を見て吸収したことを生かし、「来年もこういう良い結果を残せるように頑張りたい」と気合を入れ直した。今後は筑波大が王者として挑戦者を跳ね返す立場になる。「これを生かすのも殺すのも僕ら次第。下級生として、来季以降にしっかりつなげないと意味がない」と気を引き締めた。

(取材・文 佐藤亜希子)

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