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[プレミアリーグ参入戦]徹底したプレスバックと粘守で広島皆実を完封! 福岡U-18が13年以来のプレミア復帰

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アビスパ福岡U-18が13年以来となるプレミアリーグ復帰

[12.18 高円宮杯プレミアリーグ参入戦2回戦 福岡U-18 3-0 広島皆実高 広島広域公園第一球技場]

 高円宮杯U-18サッカーリーグ2016 プレミアリーグ参入戦2回戦が18日に行われ、アビスパ福岡U-18(九州2、福岡)が広島皆実高(中国2、広島)に3-0で快勝。13年以来となるとプレミアリーグ復帰を果たした。

 初の昇格を狙う広島皆実と、11年リーグ発足時のオリジナルメンバーながら13年にプレミアリーグWEST9位で降格している福岡。1回戦から中1日で迎えた決戦はFW崎村祐丞(3年、17年福岡トップチーム昇格)が「どっちも疲労がある中で先手、先手を取ることが大事かなと思っていた」と振り返った福岡が先制する。

 8分、パス交換から左中間のスペースでボールを受けたMF稗田圭吾がPAへスルーパス。左サイドから素晴らしいスピードで走り込んだSB桑原海人がGKのファウルを誘い、PKを獲得した。自らキッカーを志願した稗田が左足でゴール右隅へ決めて1-0。対する広島皆実も相手の守備ブロックを剥がすシーンをつくる。だが、25分にスルーパスで抜け出したFW藤原悠汰がビッグチャンスを迎えたものの、追いつくことはできず。後半もボランチの位置からドリブルで大きく前進するMF藤井敦仁らを起点とした攻撃などから、幾度もPAへ縦パスを入れることには成功していた。

 だが、小倉裕介監督が「切り替えのところだとかはシーズン通して徹底してやっていましたし、ボールを入れられたとしても、粘り強く対応しようというのはずっとやってきたこと」と説明する福岡はCB濱口功聖やCB西洸瑠、右SB棚倉大和らがしぶといディフェンスを見せ、またMF末松拓馬、MF河北祥太朗のダブルボランチをはじめとした中盤の選手たちが素早いプレスバックを徹底。広島皆実はいい形でボールを受けてもわずかに判断が遅れると囲い込まれてしまい、シュートまで持ち込むことができなかった。

 10分、藤原の折り返しをMF疋田優人が叩いた一撃がDFにブロックされた広島皆実に対し、福岡は後半13分、GK佐藤幹太のキックを崎村が頭でそらす。これで一気に抜け出したFW北島祐二がGKとの1対1を制して2-0。中央からサイドへボールを運んで攻めた広島皆実も1点取り返せば、十分に挽回のチャンスはあったが、福岡の堅い守りは崩れない。

 MF本田聖のドリブルシュートなどで追加点を狙う福岡は39分にも崎村と北島のコンビで左サイドを打開して、最後はPAからクロスを上げた崎村がファウルを受けてPKを獲得。これを崎村が自ら右足で決めて勝敗の行方を決定づけた。広島皆実の藤井は「力の差はそれほどなかったと思いますけれど、ゴール前の決定力、決めきる力はアビスパの方が上だったと思います。(また)自分たち、ボール持てる時間もありましたけれど、相手が堅いブロックを作ってきて、それを崩すのが難しかったし、1試合通して相手の守備が安定していたんで難しかったです」。福岡はこの日、主将のFW宮内真輝がわずか27分間で負傷交代するアクシデントがあったが、全員サッカーで相手との差を作り出し、結果に結びつけてプレミアリーグ昇格を決めた。

 福岡の小倉監督は「3年生はプレミア昇格と言っても自分たちはプレミアでプレーできない。でも後輩たちに残してやろうと口にしていましたし、自分たちも結果残せていない(クラブユース選手権GL敗退、Jユースカップ8強)ので、結果残したいとは口にしていたので、最後達成してくれて良かった」と目を細めた。崎村は「自分たちがやってきたプリンスリーグからプレミアリーグに上がるということで厳しい戦いが待っていると思うんですけど、藻掻いてもっともっと成長して欲しいなと思います」と期待し、稗田は「最高の舞台でできると思うので、1、2年生には楽しんでいい結果を残してもらいたいです」とエールを送った。今年は東福岡高、大津高、大分U-18と九州勢3チームがプレミアリーグWESTに参戦。「悔しかったです」(稗田)という思いを持っていた福岡が来年、高校年代最高峰のリーグ戦に復帰し、より高いレベルの戦いで成長遂げる。

(取材・文 吉田太郎)
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