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[NB×東福岡]藤川、高江、小田。J内定3選手が語る選手権、チームメートの「ここが凄い」「直した方がいい」

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左からジュビロ磐田内定のMF藤川虎太朗ガンバ大阪内定のMF高江麗央鹿島アントラーズ内定の左SB小田逸稀

 第95回全国高校サッカー選手権に出場する東福岡高には来季Jリーグへ加入することが内定している注目選手が3人もいる。ジュビロ磐田内定のMF藤川虎太朗ガンバ大阪内定のMF高江麗央、そして鹿島アントラーズ内定の左SB小田逸稀。連覇を懸けた選手権の主役候補たちにそれぞれの意気込みと、来季別々のチームでJ1を戦うチームメートについて聞いた。

―選手権とはどういう大会?
藤川:「3年間の集大成っていうのが一番です。2連覇が懸かっているので、そこの自覚を持ってしっかりと戦いたいなと思っています」
高江:「個人的には去年の借りを返すという大舞台でもあるし、今まで3年間やってきたことをどれだけ出せるか、3年間の集大成ですね」
小田:「(サガン鳥栖U-15唐津から進路として)高校サッカーを自分は選んだので、このために3年間やってきたと思うので、自分の力を全て出しきりたいと思います」

―3人は去年も経験しているけれど、選手権の難しさとは?
藤川:「(大会序盤は負傷明けだった影響によって)自分は出ていないんですけど、初戦が大事だなと思いました。あと、どんな相手でも力を抜けないです」
高江:「日頃以上の力を出せるというか。他のチームも日頃以上の力を出してくるし、去年とかの先輩たちのおかげで自分たちは東福岡という名前だけで追われるような立場になると思うんですけど、自分たちはどちらかというとチャレンジャーの方なんでそこが難しいかなと思います」
小田:「インターハイも同じような感じかなと思うんですけど、どのチームも120パーセントの力を出してくるので難しい連戦になるんですけど、自分たちの力を出し切ったら行けると思うので練習からやっていきたいです」

―予選を振り返って
藤川:「自分はケガもあって途中出場というのが多かったんですけど、その中で悔しさもあったんで、頑張ろうと思ったので。県予選はある意味悔しい県予選だったし、その悔しい県予選だったからこそ全国までしっかりいいパフォーマンスでやっていくというプラス思考もできました」
高江:「県予選は入り方もあんまり良くなかったので、選手権の難しさっていうのを自分たちの代になって改めて感じてました。でも、だんだん慣れていって自分たちの思うようなプレーができていったし、全国へ向けていい終わり方のできた大会だったと思います」
小田:「初戦はあんまり入り方が良くなくて、練習からみんな改善して毎試合毎試合良くなったと思う。個人的には結果とかあんまり出せなかったから、全国大会でその借りを返したいと思います」

―全国大会で対戦したい、チームや選手があれば
藤川:「自分は市立船橋高校の杉岡大暉選手と桐光学園のタビナス・ジェファーソンと鳥海芳樹選手と対戦したいです」
―彼らは高校選抜でともに欧州遠征へ行っている
藤川:「『来年、全国で会えたらいいね』という話をしたし、そういう面で戦えたらいいと思います」
―高江君と小田君は?
高江:「市立船橋は意識しているんですけど、どのチームも県の代表として来ているんでどのチームも気が抜けないっていうのがあります。個人的には市船の原(輝綺)とはやってみたいです」
小田:「市船はやっぱり意識してしまうというか、意識します。特に誰とやりたいとかはないけれど、対峙した相手には絶対に負けない気持ちでやりたいです」

―この3人は一緒にプロに行く訳だけど、それぞれが感じている『コイツのここが凄い』という部分を教えてください
藤川:「麗央は中学の時からロアッソで対戦していたので、当時からドリブルが凄いなと思ったし、やっぱりキツイ時こそドリブルができて自分でボールが持てることは凄いなと思います。逸稀はサガン唐津で、自分も鳥栖で3年間やってきた機会があったんですけどとにかく、気持ちが強いなというのは感じましたね」
小田:「それだけ!?……それだけ!?」
一同:「(苦笑)」
藤川:「他に、たまに上がっていって自分の目線から見ると、上がって来たら何するか分からないのでちょっと怖いなという選手でもあります」
高江:「虎太朗はやっぱり、足元の技術とかキックの精度とかやっぱりピカ一なんで、そういうところは自分よりも全然上回っているし、お手本になりますね。逸稀は守備だけど、守備では対人の強さだったり、特にヘディング。空中戦ではめっちゃ強いし、攻撃に上がってきても結果残せる。攻撃面でも結果残せる選手なので頼りになります」
小田:「2人共まず自分から見て、攻撃の選手でどっちも何かしてくれるだろうという感じがある。虎太朗は足元の技術が高くて決めて欲しい時に決めてくれたり、状況を打開するパスだったり、背中で引っ張る。10番背負ってくれて、そういう部分があると思います。麗央は、一番はドリブルやテクニックが凄くあって。でもチームのために走るというのは攻守においてチームで一番だと思っているので、そういうところは2人とも尊敬しています」

―無ければ無いでいいけれど、2人についてプレー面でも、私生活でも『ここは直した方がいいんじゃない?』と思うところは?
藤川:「あるかなぁ? 難しいな……。結構、自分含めてなんですけど、フザケてしまうところがあるんでそこは直した方がいいと思います。3人とも」
高江:「虎太朗はその状況、空気を読めずにうるさいです」
一同:「(笑)」
高江:「逸稀は気持ちの波がめっちゃ激しいんで気を遣いますね」
小田:「虎太朗は結構バスとか2人組とか遠征先の部屋とか毎回一緒なんですけど、常にうるさくて……」
高江:「笑」
藤川:「うるさいか?(苦笑)」
小田:「そういう気分じゃない時も空気読まずに……そういうところは直して欲しい」
藤川:「ガチで言っている……」
小田:「麗央は試合中、怖いです」
高江:「それ? 私生活やないん?」
小田:「私生活? 私生活は別にないです」

―これまでのサッカー人生で悔しかった試合、悔しい思い出があれば
藤川:「自分は高校2年生だった時の(プレミアリーグ)第2節のホームであったガンバ大阪戦が一番悔しかったです。一個上が新チームになって、最初は試合出ていたんですけど、パフォーマンスが悪くてだんだん出場機会がなくなっていて。その中で残り5分くらいで出たんですけど、そこで試合は勝ったんですけど、自分では涙が出てきました」
―このままじゃいけないと
藤川:「ハイ」
高江:「選手権の去年の準決勝、決勝。あれほど悔しい試合は他に思い浮かばないですね」
―2試合とも途中から出たけれど
高江:「そうですね。優勝したし、みんな喜んでいたけれど。その時ピッチに立っていたけれど全然です」
小田:「一番頭の中に残っているのは(全国高校総体初戦の)昌平戦でそこで勝ちきれなかったというのは3冠目指していた僕らとしては鼻を折られた感じで。あとは試合ではないんですけど、選手権の優秀選手に入れなかったことも悔しかったです」

―進路を選んだ理由とそのクラブの魅力とは
藤川:「自分はまず、みんないい人達で何クラブか行ったんですけど、ジュビロは名波さんが監督で居残り練習の時にクロスとか上げてくれたり、もっとこうした方がいいよと、4日間練習参加したんですけど、毎日言ってもらって、そういうところで自分成長できるかなと思ったし、いい意味で地方なので、サッカーに打ち込めるかなと思いました」
高江:「ガンバは超ビッグクラブでオファー頂いた時に断る理由がなくて、それに加えて設備とか充実していて、育成の部分もとても上手いチームだったので、ここだったら自分自身も成長できるし、このチームに貢献したいなと強く思ったので決めました」
小田:「鹿島はJ1で常に結果を残し続けるビッグクラブというイメージがあって、ファンとサポーターの一体感が凄く、サッカーに専念できる環境が整っていると思った。練習参加、見学に行ったんですけど雰囲気が良かったので決めました」

―この1年で自分が一番成長した部分
藤川:「自分は技術というより体格が変わったし、栄養面に気を遣えるようになりました」
高江:「技術の部分とかチーム引っ張って行くということを自分の代になって心掛けているし成長できたなと。一番はメンタルの部分を去年(監督の)森重さんとか(総監督の)志波先生につけてもらって、メンタル部分が一番強くなったと思います」
小田:「自分はさっき、麗央が言ったように、気持ちの波があったけれど今年一年間で最上級生になったので気持ちから周りを引っ張っていかないと思って、そういう波は減ってきたと思います」

―最後に選手権の目標を
藤川:「もちろん2連覇ですし、自分の中でも全試合に出て、1得点以上というのが自分の中の最低目標ですし、それを達成するためにはこれから1か月、追い込んでいかないといけないと思っているので追い込んでいきたいです」
高江:「2連覇というのは目標にありますし、その中でも優勝して、いいパフォーマンスして、チームに貢献して自分の借りを返せたら最高だなと思います」
小田:「全国制覇するために東福岡に来たので、去年、自分日本一の景色を見てもう一回見たいと思ったし、ピッチの中で見ていない人やその時スタンドで応援していた選手もいたと思うので、今年もみんなでそういう景色を見たいから、全国制覇したいです」

(取材・文 吉田太郎)
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