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FW出場はわずか3戦…9番託された“元ボランチ”関東一FW景山「チームを助けるゴールを」

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関東一(東京B)の前線で存在感を示すFW景山海斗(3年)

[12.30 全国高校選手権開幕戦 関東一高1-0野洲高 駒沢]

 FWとして公式戦での出場はわずか3試合目。それが、選手権開幕戦となった――。

 序盤から野洲高(滋賀)に主導権を握られた関東一高(東京B)。最前線に入ったFW景山海斗(3年)は味方がボールを奪えば、基準点になろうと奮闘する。時には相手数人に囲まれようが、味方が打ち込む縦パスを収めようと体を張り続けた。そして、後半25分には激しいチェイシングで相手からボールを奪い、自ら好機を創出したものの、「ループを狙ったけど、つま先にボールが当たり過ぎて…。思い通りのシュートを打てなかった」とGK井上聖真(3年)にストップされてネットを揺らすことはできなかった。

 80分間を走り抜き、相手にプレッシャーを掛け続けた守備面では「相手からボールを奪える場面もあったし、前線からの守備はできたと思う」と手応えを得たようだが、攻撃面では「僕が収められたら攻撃の時間はもっと作れたと思うし、チャンスがある中でゴールを決められずに悔しい」と反省が口を突いた。

 ゴールへの強いこだわりを示すが、景山が背番号9を託されたのは、11月5日に行われた東京都予選準決勝の堀越戦(○3-1)から。ボランチとして入学し、1、2年生はCBとしてプレー。3年生になるとボランチに再コンバートされ、その後は同ポジションで起用されてきた。しかし、都予選2回戦昭和一(○5-0)前に負傷離脱して、その後戦列に復帰すると小野貴裕監督からFWでの起用を告げられたようだ。

 予選を戦う中でのいきなりのポジション変更となったが、「いきなり違うポジションをやるのに抵抗はなかった。ボランチで試合に出られていなかったので、出れるならどこでもやってやろうという気持ちだった」と前向きに捉えた。その後、都予選準決勝、決勝をFWとしてプレーし、野洲戦でFW3試合目。目標とする選手も、ボランチでプレーしていた時のバルセロナMFセルヒオ・ブスケツから、U-19日本代表にも名を連ねるジュビロ磐田FW小川航基に代わった。

 FWにコンバートされたばかりかもしれない。だが、「よりゴールに近い位置でプレーしているからこそ、ゴールを決めたい気持ちが本当に強くなっている」とゴールを渇望する。2回戦は1月2日に行われ、正智深谷高(埼玉)と立正大淞南高(島根)の勝者と対戦。「僕はFWです。だから、2回戦では必ずチームを助けるゴールを決めたい」と力強く言い切った。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 折戸岳彦)

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