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「バケモン」「想像以上」市船も認める動き見せたが、京都橘FW岩崎は無得点で選手権終える

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京都橘高のU-19日本代表FW岩崎悠人主将

[12.31 全国高校選手権1回戦 市立船橋高1-0京都橘高 フクアリ]

 ともにU-19日本代表としてAFC U-19選手権を戦った市立船橋高のCB原輝輝(3年)は「バケモンですね。倒れないで身体をねじ込んでくるんで。止められはしましたけれど、やられてもおかしくない。紙一重の勝負だったというのが正直なところ」と苦笑いし、市船CB杉岡大暉主将(3年)は「本当に想像以上の強さだったり、速さだったんで。本当に凄かったですね」とライバルの凄さを認めていた。

 高校ナンバー1ストライカーとして注目を浴びた京都橘高のU-19日本代表FW岩崎悠人主将(3年)は抜群のスピードと、動き出しを繰り返す量、そして局面局面の強さでも夏の全国王者・市船の脅威に。前半26分には右足FKを枠へ飛ばして王者に冷や汗をかかせ、35分には相手の寄せが一瞬甘くなった隙を逃さずに中央から仕掛けて強烈な右足シュートを左ポストにヒットさせた。

 総合力高い市立船橋の攻守の前に良い形でボールを受けられたのは数えるほど。それでも京都橘の背番号7にボールが入ると、何かが起きそうな雰囲気があった。相手DF3人に囲まれても強引に前進し、献身的にボールを置い続いて、わずかな隙を突いてくる。そのFWに市船も大いに苦しめられた。

 それでも遠かった1点。11人が高いレベルでやるべきことをやってくる相手の前に無得点に終わった。岩崎は「終わっちゃいましたね。負けた気はしていないです。ああやって市船に向けてやってきたことを出せたと思うし、出ている11人が他のメンバーのためにやっていたし、セットプレー1本でやられてしまうのは市船の方がそこの強さはあったかなと思います」。仲間とともに力を出し切ったことについては、悔いはない。試合後、仲間に声をかけ、原や杉岡と握手した岩崎はそう感じさせるような表情を浮かべていた。

 1年時から注目を集め、日本高校選抜、年代別日本代表、そして争奪戦の末に京都入りと階段を登ってきた。その3年間を支えてくれた仲間たちには「みんなが自分のためだけじゃなくて、他の人のために頑張れる代だったかなと思います。(自分は代表活動などで不在の期間が長かったが)上手く、(GK矢田貝)壮貴も(堤原)翼も、みんなが取り込んでくれたので感謝しています」と感謝。一方で米澤一成監督の言葉を聞いて自分が何とかしたかったという思いが募った。「『非常にいい代だった』と言ってくださいました。『もっとお前らとサッカーしたかった』と言われた時はボクも申し訳ない気持ちで……」

 この日、一番というほどのインパクトを残した。だが、無得点で敗退という事実に変わりはない。米澤監督は「(岩崎に)もっと良い形でチャンスを作ってあげたかった」と残念がっていたが、岩崎は3年連続無得点で選手権を終えることとなった。「3回選手権に出て無得点に終わって。それがこれからの課題だと思ってやっていきたい。選手権無得点なのでこういう大舞台で点取れる選手になっていきたいです」。すぐに京都の一員としてプロ生活をスタートさせる岩崎。指揮官も「いずれ選手権で点取れなかったことがこやしになれば」と期待していたが、東京五輪世代の逸材ストライカーは選手権で取れなかった悔しさを持って成長して、ゴールを決めてチームを勝たせるFWになる。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 吉田太郎)
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