[12.31 全国高校選手権1回戦 桐光学園高0-2長崎総合科学大附高 等々力]

　仰向けに倒れ込み、両手で顔を覆った。桐光学園高のGK茂木秀(3年=C大阪内定)は随所でその能力を見せながら、悔しい2失点。0-2の零封負けに「相手は決め切るところで決めて、うちは決められなかった。そこに差があった」と唇をかんだ。

「一瞬の隙を突かれた」。前半7分、スルーパスに抜け出したFW右田翔(3年)との1対1から先制点を献上。立ち上がりに失点する展開ながらも、その後は好セーブを連発した。後半11分にはMF小川貴之(2年)の強烈なミドルシュートをしっかりキャッチ。195cmの恵まれた体格と身体能力でハイボールには抜群の強さを発揮し、クロスやセットプレーからのピンチもことごとく弾き返した。

　0-2の後半アディショナルタイムにはCKのチャンスに茂木もゴール前へ上がったが、勝利への執念は実らなかった。「このチームは3年生はもちろんだけど、1、2年生が引っ張ってきてくれたと思っている。来年は絶対にこの悔しさを晴らしてくれると思う」。屈辱の初戦敗退。その無念を後輩たちなら晴らしてくれると信じている。

　C大阪入団が内定している茂木は来年、プロの世界に身を投じることになる。「優勝したかったし、もっと長くやれると思っていた。その悔しさをバネにプロという新しいステージで頑張っていきたい」。多くの報道陣に囲まれた守護神は最後まで気丈に振る舞った。

(取材・文　西山紘平)

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