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[MOM2001]佐野日大FW長崎達也(3年)_「やっぱり10番」公式戦初の志願FK弾が決勝点に

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決勝FK弾を沈めたFW長崎達也(3年)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.31 全国高校選手権1回戦 佐野日大高1-0和歌山北高 西が丘]

 自信があった。値千金の決勝FK弾を沈めた佐野日大高FW長崎達也(3年)は初の選手権の舞台にも「観客が多くていい緊張感で臨めた」。その空気に怯むことなく、持ち前のテクニック、攻撃力を存分に見せつけた。前半7分、FW大熊啓太(3年)のフィードに素早く抜け出すと、「DFの股抜きをしようと思った」と自慢のドリブルを仕掛けたところで倒され、FKを獲得する。

「自分が(ファウルを)もらったので『蹴りたい』と言った」。プレースキックは長崎、DF梅澤崚(3年)、FW野澤陸(3年)の3人が試合中に話し合い、誰が蹴るかを決める。海老沼秀樹監督曰く「普段、あんまりFKを蹴らない」というエースが志願してキッカーを務めると、PA手前の位置から直接ゴールを狙って右足を振り抜く。コースがGKに見えないように味方が左に寄ってブロックをつくると、壁の横を通った低い弾道のシュートがゴールネットに突き刺さった。

  FKでの得点はこれが公式戦初。和歌山北高の中村大吾監督にも「キックが素晴らしかった」と言わしめた狙い通りの一撃。「入ったか分からなかったけど、ネットが揺れたので安心しました」。試合を通して両チーム最多となる4本のシュートを放ち、献身的な守備でも見せ場をつくった背番号10。目標としている選手は自身と同じく背番号10を背負う川崎フロンターレMF大島僚太で、「タッチがうまいので見習ってる」と明かした。

「やっぱり10番」とエースへの信頼を語るのは主将のDF福田一成(3年)だ。「自分たちのチームで一番頼れる存在。全員がうまいと思ってる選手で、頼り甲斐があって、やっぱり大舞台でも決めてくれた」と期待通りの活躍を喜んだ。

 選手権を最後にサッカーを“卒業”する。周囲からは惜しまれながらも、「サッカーを本気でやるのはこれが最後。自分で決めたこと」と言い切り、大学は一般受験をする。自らの意思で「最後」と位置付けた夢舞台。来年1月2日に行われる2回戦は全国高校総体8強の米子北高(鳥取)と対戦。「次も全員守備、全員攻撃でしっかり勝ちたい」。悔いのないように、一戦一戦を戦い抜く。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 佐藤亜希子)
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