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[MOM2004]滝川二FW山田裕也(3年)_泥臭く奪った決勝点!「憧れ」の岡崎慎司のように

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後半途中からは「やりやすい」2トップにおさまった滝川二高(兵庫)のFW山田裕也

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.31 全国高校選手権1回戦 秋田商高0-2滝川二高 柏の葉]

 滝川二高(兵庫)にとって、4年ぶりの全国高校選手権での1勝。決勝点を奪ったのは、今大会の顔を飾り、同校のOBでもあるFW岡崎慎司(レスター・シティ)に憧れる背番号9だった。

 滝川二にチャンスが訪れたのは、秋田商高(秋田)の決定機をしのいだ直後。MF持井響太(3年)のシュートがクロスバーに阻まれたこぼれ球を、ゴール前につめていたFW山田裕也(3年)が頭で押し込んだ。岡崎がこれまで何度も決めてきたようなゴールだった。
 
 山田にとっては「憧れています」と表情をゆるませるほど、敬愛するプレイヤーのようだ。「岡崎さんのビデオを今日も見たんですけど、泥臭いところとか尊敬しているので、今日もそういうところを出せてよかったです」。

 試合前日には、岡崎からのビデオメッセージが送られてきたという。「『滝二らしく、ひるまず、おごらず、はつらつと』というのと、『無心で追いかける』ということを言っていただきました」。山田をはじめ、チームの発奮材料となったのは間違いない。

 兵庫県決勝ではFW溝田大輝(3年)と2トップを組んでいた山田だが、この日は守備を固めてくる秋田商対策として高さを活かすプランを松岡徹監督は決断した。180cmの溝田と182cmのFW本田周作(3年)という長身の2人が2トップにおさまった。それでも、指揮官は「山田が外せなかった」と右のMFとして起用。山田と本田が揃って得点を決め、見事期待に応えた。

「岡崎選手に比べたら、まだまだだと思う」。高校時代の岡崎も知る松岡監督は、山田の現在地をそう評するが、「朝早くから1人で努力してきた」とサッカーに取り組む姿勢については、岡崎の高校時代と重ねていた。最後に松岡監督はこう結ぶ。「山田は下手ですけど、がんばります」。その言葉もやはり、日本代表のストライカーの形容詞だ。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 奥山典幸)

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