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[MOM2021]創造学園DF森昂大(2年)_ラストワンプレーで同点ヘッド! 劇的勝利の立役者に

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終了間際の劇的ゴールで勝利を呼び込んだDF森昂大

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.2 全国高校選手権2回戦 創造学園高1-1(PK4-2)広島皆実高 浦和駒場]

 相手は自陣に全員いたはずなのに、まるで時が止まったかのようにフリーだった。創造学園高(長野)の先発で唯一の2年生であるDF森昂大(2年)は、ラストワンプレーとなった場面で劇的な勝利へとつながる同点ゴールを決め、同校の歴史を塗り替えた。

 広島の名門を相手に前半16分に先制され、なかなか攻撃の形を作れないでいた創造学園。「皆実は9番(安原)に当たててから攻撃は始まるので、そこをつぶすように言われていました。前線の選手がうまくローテーションして、色々なところのスペースを突いてくるので、前半の最初の方は頭がこんがらがっていました」と、相手の攻撃に舌を巻いた。

 それでも、「前半は守備のやり方を共有できていなかったので、ハーフタイムにみんなで共有」すると、いい形でボールを奪えるようになり、そこから徐々に流れを引き寄せた。得点こそなかなか入らなかったが、不思議と焦りはなかった。そして、迎えた後半アディショナルタイム2分、パワープレーで前線に上がっていた180cmの森が右サイドからのクロスを頭で合わせ、1-1。直後に試合終了のホイッスルが鳴り響いた。

「セットプレーでは自分が決めたいという思いが強い。(終了間際の得点で)危ないなと思ったのと、素直にうれしかった」。大会レギュレーションにより、試合はそのままPK戦に突入。11人目のキッカーだったという森は、先輩たちのPKをハーフェーライン上から見守った。そのPK戦は、GK矢野遥希(3年)の2本ストップもあり、見事4-2で劇的勝利をおさめた。

 勝沢勝監督が「勝因はGKを含めた守備陣の頑張り」と語ったように、先輩たちの中に入って、森も高さをいかした守備を武器に相手の攻撃を防ぎ続けた。さらに、その武器で決勝点を決め、同校の選手権初勝利に大きく貢献した。「9番にフィジカルで負けていたので、もっとフィジカルを鍛えないといけないと思いました」。勝利の一方で自分の弱さとも向き合う2年生DF。一つずつ課題をクリアし、貪欲に成長し続けてチームの守備の要として活躍し続けてみせる。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 清水祐一)
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