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[MOM2027]東福岡MF青木駿(3年)_一撃必殺!! ゴール前に虹を架ける“美しすぎる”クロス

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先制点をアシストした東福岡高(福岡)MF青木駿(3年=左)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.3 全国高校選手権3回戦 東福岡3-0鹿児島城西 等々力]

 左足から放たれた鮮やかな軌道を描くクロスが、ゴール前へと届けられる。東福岡高(福岡)MF青木駿(3年)は左サイドでボールを受けると、果敢にドリブル突破を試みるのではなく、自らの武器を存分に披露して好機を生み出し続けた。

 試合をいきなり動かしたのは東福岡だった。前半2分、青木がボールを受けてゴール中央を確認する。「ビデオを見て相手ディフェンスがクロスの対応があまりうまくないこと、GKがクロスに対して飛び込んでくると分かっていた。ウチのFWが良い動きをしていたので、カーブを掛けて合わせようと思った」。迷いなく左足を振り抜くと、カーブを描いて急激に落下したボールはゴール前に走り込むFW藤井一輝(3年)にピタリ。藤井が豪快にヘディングで合わせ、先制点が生まれた。

「全体練習の後に藤井くんと自主練習で、あの形の練習はしていた。ほぼ毎日やっていたので、練習どおりでしたね」。その後も青木の左足は幾度となく相手にとって脅威となる。先制直後には曲がるクロスではなく、鋭いストレートのボールをゴール前に送って好機を生み出し、前半40分にはまたもや弧を描くクロスを供給して藤井のシュートチャンスを導いた。

 当然、自身もクロスが「武器」だと胸を張る。「左右どちらも蹴れるのが自分の武器。その精度を上げる練習を、ずっとやってきたので、結構自信があります」。相手がクロスを警戒して自身の左足をケアしてくれば、持ち上がって左足を活かす状況を作り、突破をケアされれば相手を抜き切る前にクロスを送る。青木の飛び道具が、東福岡の攻撃にアクセントを加えていた。

 しかし、出番は後半15分まで。2試合連続での途中交代となり、「最後までピッチに立っていられればいいんですけどね」と唇を噛みながらも、チームの勝利が何よりも大事だと強調する。「チームの流れが良くないとき、サブの選手は流れを変えてくれます。僕より他の選手が出た方がいいときはあるので、チームのためだと思ってしっかり受け入れています」。すべては大会2連覇を果たすため――。ピンポイントクロスという武器を持つ背番号7は、チームを頂点に導くため、ゴール前に虹を架け続ける。

写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 折戸岳彦)

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