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“本調子”でなくても勝ち切る強さ…青森山田が2年連続4強入り!!

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MF高橋壱晟(3年)の3戦連続ゴールなどで勝利した青森山田高(青森)は2年連続のベスト4進出

[1.5 全国高校選手権準々決勝 正智深谷1-3青森山田 等々力]

 第95回全国高校サッカー選手権準々決勝が各地で行われ、等々力陸上競技場の第2試合では2年連続3回目の出場となる正智深谷高(埼玉)と20年連続22回目の出場となる青森山田高(青森)が対戦。前半13分に先制した青森山田が後半13分と同21分に加点すると、正智深谷の反撃を1点に抑えて3-1の勝利を収めた。勝利した青森山田は2年連続でのベスト4進出を決め、1月7日に埼玉スタジアムで行われる準決勝で東海大仰星高(大阪)と対戦する。

 2試合連続で先制に成功している青森山田が、この日も早い時間帯に先制点を奪取する。前半13分、左サイドでボールを受けたMF高橋壱晟(3年)が送ったクロスをファーサイドのFW鳴海彰人(3年)が胸トラップで落ち着けると、左足のシュートでネットを揺らして先制に成功した。

 しかし、青森山田の体は「思った以上に重かった」(黒田剛監督)。「(プレミア)チャンピオンシップからの疲労が、すごく見えるゲームだった」。その後は同点に追い付こうとする正智深谷がフィニッシュまで持ち込む場面を創出するが、前半30分のMF西澤悠人(2年)のシュートは枠を捉え切れず、同32分のFW玉城裕大(3年)の直接FKはGK廣末陸(3年)の守備範囲に飛んでしまい、ネットを揺らすには至らなかった。

 1-0と青森山田がリードしたまま後半を迎えると、後半8分に正智深谷が決定機を迎える。右サイドから送られたクロスをDF金子悠野(3年)がヘッドで落とし、反応したMF谷口瑛也(2年)がシュートを放つが距離を詰めた廣末に阻まれ、こぼれ球に走り込んだFW玉城裕大(3年)のシュートは相手選手にブロックされてしまった。

 すると危機をしのいだ青森山田が追加点を奪取する。後半13分、MF郷家友太(3年)のロングスローをニアサイドのDF三国スティビアエブス(3年)がすらすと、ゴール中央の高橋が豪快に蹴り込んでリードを2点差に広げる。さらに同21分には郷家の浮き球のパスから最終ライン裏に抜け出したMF嵯峨理久(3年)が送ったグラウンダーのクロスが相手選手のオウンゴールを誘い、3点目を記録する。

 リードを3点差に広げられた正智深谷だったが、「選手たちは3点差になったも諦めずにやり通した」(小島時和監督)。後半33分にショートコーナーからMF小山開喜(3年)が送ったクロスをDF田村恭志(3年)がヘッドで合わせると、ボールはそのままゴールマウスに吸い込まれて1点を返す。その後もゴールに迫りながらも追加点は生まれず、1-3で敗れることになったが、指揮官は選手たちに賛辞を贈る。「最後まで戦ってくれた姿に感動したし、相手をだいぶ苦しめたと思う」と話すと、「でも、苦しめながらも、そこで勝ち切るのが(プレミア)チャンピオンだと思う」と続け、勝利した青森山田を称賛した。

 80分間で放ったシュートは5本だったが3点を記録。黒田監督が「疲労があった」と語ったように本調子ではない中でもきっちり勝利を収めたが、「無失点優勝が目標だったので、ちょっとあっけなく失点したし、緩みがピッチの中で見えた」と今大会初の失点に反省を口にする。しかし、「連戦なので良い試合があれば、悪い試合もある。勝ち上がれたことで次のチャレンジができるので、次は青森山田らしいサッカーを見せたい」とまずは勝ち上がったことを第一とし、準決勝で再び本来の姿を見せようと準備を進める。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 折戸岳彦)

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