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人としてあるまじき内容の侮辱発言をSNSに投稿した英下部リーグの選手が即解雇

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 サザンフットボールリーグ・プレミアディビジョン(英7部)を戦うハッチン・タウンFCは、チームが保有するアルフィー・バーカーを解雇したと発表した。バーカーは、プレミアリーグ第20節ボーンマスアーセナルを観戦中に、ボーンマスMFハリー・アーターを侮辱する内容の投稿をSNS上で行い、多方面から非難を浴びていた。

 19歳のバーカーは自宅で応援するアーセナルの試合を見ていたが、ボーンマス相手に3点のビハインドを背負うと機嫌を悪くし、我を失ったかのように乱暴で下品な投稿をしてしまったようだ。SNS上で彼は「子供が生まれるのを待つ9か月間の後に味わう深い悲しみを、また味わうかのような展開だな」と投稿している。

 これは、2015年12月にパートナーとの間にできた娘を死産で亡くしたアーターに向けられたものであり、ボーンマスファンをはじめ、各方面から非難の声が上がっていた。なお、バーカーは事態が深刻なものとなったことを受けてSNSのアカウントを消去しているため、彼の投稿を現在確認することはできない。

 バーカーは『BBC Radio 5』のインタビューに対して、「最低な行為をしてしまった。とても恥ずかしい」と話し、投稿してしまったことへの後悔を語っている。

「アーセナル戦を家で見ていて興奮していたんだ。3点のリードを許していたアーセナルはいいプレーをしてなくて、とても不愉快だった。何杯かビールも飲んでいたし、アーセナルのプレーに苛立っていて、我を失ってしまっていたんだ。どうして自分がハリー・アーターとその家族を標的にしたのかもわからないし、彼らには本当に申し訳なく思っている」

「取り乱してしまっていた。人生でやらかした最悪の罪だ。でも本来の自分とは大きくかけ離れている。正直に、どうしてこんなことをしてしまったのか、今でもわからないよ」

 この事件を受けて、バーカーに関係するクラブは迅速な対応を見せている。

 保有権を持つ7部ハッチン・タウンは、「選手の無責任で反社会的な行動を受けて、我々はアルフィー・バーカーとの契約と関係を即刻打ち切ります」という声明を発表した。ハッチン・タウンの会長を務めるマーク・バーク氏は声明が発表される前に『BBC Sport』の取材に対し、「投稿を見たけど、気分が悪くなった。下劣かつ不道徳で、どうやっても許すことはできない」と話している。

 現在、彼をレンタルで保有するコディコートFC(英10部相当)は、「彼との関係を絶つ以外の手段が見つからない」と声明を発表し、次のように続けた。

「コディコートFCはこの行為を受け入れることができないと明言します。我々は、地域、サポーター、サッカーファミリーと共に、こういった行為に対して厳しく接する責任があると考えます。」

 また、バーカーの獲得を狙っていたストットフォールド(英9部相当)のフィル・ペイトマン会長は「これ(関心を持っていた事実)は、ハリー・アーターに対するバーカーの汚い投稿がなされる前のことだった」と話し、「投稿を受けてストットフォールドFCは彼への関心を即刻捨てた」と反応している。

こ の事件は、ボーンマスによってFA(イングランドサッカー協会)に報告されており、バーカーは既にFAから本件に関する聞き取り調査に応じるように要請されている。12日までにバーカーはこのFAの要請になんらかの反応を示すことが求められている。これまでSNS上での不適切発言に対してFAは罰金や選手資格の停止といった厳しい処分を下してきており、今回も何らかの処罰が下されるのではないかとみられている。

 バーカーは軽度の自閉症と多動性障害の兆候から通院しているとも伝えられるが、こういった背景は彼の処分の際に考慮されるのだろうか。いずれにせよ、サッカー選手としてはもう少しSNSの扱いに注意を払う必要があっただろう。

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