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2冠達成!高橋5戦連発の青森山田が悲願の初優勝!!

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青森山田高が22回目の挑戦で初優勝を果たした

[1.9 全国高校選手権決勝 青森山田高5-0前橋育英高 埼玉]

 青森山田が2冠達成!! 第95回全国高校サッカー選手権は9日、埼玉スタジアムで決勝戦を行い、ともに初優勝を狙う青森山田高(青森)と前橋育英高(群馬)が激突。青森山田がU-19日本代表MF高橋壱晟(3年、千葉内定)の5戦連発となる先制ゴールとMF嵯峨理久(3年)の追加点、FW鳴海彰人(3年)の2ゴール、交代出場のFW佐々木快(3年)のダメ押しゴールによって5-0で勝ち、初の日本一に輝いた。今季プレミアリーグチャンピオンシップを制している青森山田は2冠達成。青森県勢にとっても初、史上最北の選手権王者となった。

ともに東北、関東を代表する強豪校だが、意外にも選手権では初の対戦となった両校。09年度以来の決勝進出となる青森山田は4-5-1システムでGKはU-19日本代表の廣末陸(3年、FC東京内定)で4バックは右SB小山新(3年)、CB橋本恭輔(3年)、CB小山内慎一郎(2年)、左SB三国スティビアエブス(3年)。中盤はアンカーの位置に主将の住永翔(3年)、2シャドーが郷家友太(2年)と今大会4戦連発中のU-19日本代表MF高橋壱晟(3年、千葉内定)。右MFが嵯峨理久(3年)、左MFが住川鳳章(3年)、1トップは全国高校総体得点王のFW鳴海彰人(3年)が努めた。先発11人はここまでの4試合と全て同じ。高橋と鳴海がともに4得点で得点ランキング首位に立っていた。

 一方、14年度以来となる決勝進出の前橋育英は準決勝までの5試合無失点。風邪で準決勝を欠場した右後藤田亘輝(2年)、そして右MF 田部井悠(2年)がともに2試合ぶりに先発復帰した。システムは4-4-2でGK月田啓(3年)、右SB後藤田、CB 松田陸 (2年)、CB 角田涼太朗(2年)、左SB 渡邊泰基(2年)。中盤は長澤昂輝(3年)と大塚諒主将(3年)のダブルボランチで右MF 田部井悠、左MFが準決勝で決勝点の高沢颯(3年)。前線は飯島陸(2年)と人見大地(3年)が2トップを組んだ。

 青森山田のキックオフから廣末が前線へ入れようとしたキックを前橋育英FW人見がいきなりチャージ。観衆をどよめかせた前橋育英が序盤攻勢に出た。ショートコンビネーションで青森山田のDFを外して敵陣で前向きの選手を作り出し、クロスまで持ち込んだ。

 5分には右CKから中央の人見がヘディングシュート。ゴールライン手前にいた青森山田DF小山内に頭でクリアされたものの、直後にも相手のクリアを拾ってクロス、シュートを放つ。16分には人見がDFラインのギャップを突くスルーパス。上手くDFと入れ替わった高沢が抜け出して決定機を迎えたが、右足シュートは青森山田GK廣末が足でストップする。

 青森山田はその後も相手にDFラインの背後を突かれるシーンがあったものの、GK廣末がカバーして得点を許さない。そして中盤の底の位置でボールを引き出す住永を起点としたサイド攻撃で反撃。攻撃参加した三国がCKを獲得するなど両翼から攻め、そして郷家のロングスローやCKなどで前橋育英DF陣にプレッシャーをかける。

 迎えた23分、青森山田が今大会無失点の前橋育英からゴールをもぎ取る。右サイドでボールを受けた嵯峨が前方のスペースへパス。これに走り込んだ鳴海がマイナスのクロスを入れると、中央でコントロールした高橋が左足を振り抜く。シュートはDFに当たってコースが変わり、そのままゴールネットへ。青森山田がエース高橋の5戦連発となるゴールによって先制した。

 前橋育英は直後の27分、PAで人見が相手GK、DFと競ると、こぼれ球を拾った高沢がグラウンダークロス。中央でフリーの大塚が右足を振り抜いたが、シュートはクロスバー上方へ外れてしまう。

 青森山田はアプローチスピード速い守りで相手に思うようなボール回しを許さない。それでも前橋育英はセットプレーからチャンス。45分には右FKがゴール前でマークを外した角田の足下に入ったが、シュートを打ち切ることができず、三国にクリアされてしまう。

 逆に青森山田は直後に2点目を奪う。敵陣中央でボールを受けた郷家がPAの鳴海へ縦パス。鳴海がダイレクトで右サイドへ叩くと、走り込んだ嵯峨が右足でゴールを破って2-0とした。

 青森山田は後半7分、敵陣で相手のミスパスをインターセプト。ショートカウンターから住永のパスを受けた鳴海が右足で狙うが、ボールは右ポストを叩いた。前橋育英は直後にMF 岩下航(3年)を投入。ボールを保持する時間を増やそうとしたが、青森山田に突き放されてしまう。

 12分、青森山田は右サイドのスペースを突いた嵯峨がクロス。これをニアサイドで胸コントロールした鳴海が右足でゴールへ流し込む。さらに14分には、この日再三キックで会場を沸かせていたGK廣末のロングキックを敵陣中央の郷家が頭で競り勝ち、最後は抜け出した鳴海が右足ダイレクトでゴールへ沈めた。

 鳴海は今大会6得点目。高橋をかわして得点ランキング単独首位に立った。青森山田は16分、負傷の嵯峨に代えてU-16日本代表候補のMF 檀崎竜孔(1年)を投入。前橋育英は19分に後藤田とDF 小山翔(3年)を入れ替えた。

 前橋育英は右SBへ移った松田ら両サイドからのクロスや、パス交換からPAへ潜り込んだ長澤のシュートなどで反撃する。そして28分には飯島とMF田部井涼(2年)をチェンジ。31分にも左クロスから大塚が身体いっぱいに伸ばしてヘディングシュートを放つなど何とか1点を返そうとする。

 青森山田は37分、住川に代えてMF堀脩大(2年)を、40分には鳴海に代えてFW佐々木快(3年)を投入。前橋育英は39分に長澤に代えてFW馬場拓哉(3年)をピッチへ送り出す。だが、青森山田は43分に住永のインターセプトから佐々木快が左足ミドルを叩き込んで5-0。アディショナルタイム、小山内に代えてDF工藤聖人(3年)を投入した青森山田は最後まで集中力を切らさずに走り切り、5-0で快勝。悲願の初優勝を果たした。

 青森では選手権予選20連覇中、県内公式戦300連勝を越える「絶対王者」青森山田。北の名門がついに選手権全国大会で頂点に立った。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 吉田太郎)

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