beacon

「不思議なくらいゴールにつながった」 得点に“絡みまくった”青森山田MF郷家

このエントリーをはてなブックマークに追加

2年生ながらも先発の座をつかみ日本一に貢献した青森山田高(青森)MF郷家友太(2年)

[1.9 全国高校選手権決勝 青森山田高5-0前橋育英高 埼玉]

 攻撃陣の中で唯一の下級生は、この日も存在感を示した。CBのDF小山内慎一郎(2年)とともに2年生としてスターティングメンバーに名を連ねる青森山田高(青森)MF郷家友太(2年)は2アシストを記録して、チームの日本一に貢献した。

 まずは1-0とリードして迎えた前半アディショナルタイム。MF嵯峨理久(3年)からパスを呼び込むと、「(高橋)壱晟さんに落とそうと思ったけど、ゴールに一番近い理久さんが見えたので、即座に判断を変えた」とMF高橋壱晟(3年)へのバックパスではなく、ゴールに向かって走り込む嵯峨への“勝負”のパスを選択。「ちょっと浮かして相手が届かないボールを出せば、あとは理久さんが打つだけだと思った」とダイレクトで最終ラインの裏に浮き球のパスを届けると、反応した嵯峨が右足で流し込んで貴重な追加点が生まれる。

 さらに後半12分にはGK廣末陸(3年)のロングフィードに対し、183センチの長身を活かして後方へとすらすと、PA内に進入したFW鳴海彰人(3年)がネットを揺らして3点目が生まれる。「すらしたところに人が入るというのはチームの決め事だったので、そこは練習どおり」と狙い通りの得点に白い歯を見せる。

 今大会、初戦となった2回戦鵬翔戦で2ゴールを奪うと、その後も積極的にボールに絡んで好機を生み出すだけでなく、ロングスローで幾度となく得点機を演出する。3回戦・聖和学園戦、準々決勝・正智深谷戦、そして準決勝・東海大仰星戦では3試合連続でロングスローの流れから得点が生まれるなど、自身の持ち味を存分に発揮。そして決勝では2アシストと、5試合で20得点と圧巻の攻撃力を示したチームの中で、郷家自身もゴールに絡みまくった。

「県大会で全然得点につながらなかったロングスローだったけど、全国では不思議なくらいゴールにつながった。けど、今日は2アシストできたので、ロングスロー以外にも仕事ができたかなと思う」

 3年生とともに味わった日本一。だが、これからは自身と小山内がチームを引っ張っていかなければいけないと気を引き締める。「今年、学んだものは本当に大きなもの。『二冠』という大きな壁を乗り越えて『三冠』をとれるように、小山内と引っ張っていきたい」。チームの先頭に立ち、インターハイ、プレミア、そして選手権との三冠を目指す。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 折戸岳彦)

▼関連リンク
【特設】高校選手権2016

TOP