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選手権沸かせた守護神が“古巣”復帰…FC東京GK廣末、サポーターから掛けられた『温かい言葉』

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青森山田高からFC東京に加入したGK廣末陸(中央)

 高校選手権を沸かせたばかりだ。青森山田高を初めて選手権の頂点へと導いたGK廣末陸は、かつて下部組織で過ごしたFC東京に加入。「自分にとって特別なクラブだったので、またそこに必要とされているという意味では非常にうれしい」と充実した表情を浮かべた。

 FC東京U-15深川でプレーしていた廣末だったが、「ユースに昇格できなかった」ため、青森山田高への進学を決断。昇格できたなかったことで、「シンプルに悔しかった。『見返したい』という気持ちで3年間を過ごした」。そして、高校サッカーを経験してプレー面だけでなく、「精神面で強くなれた」と心身ともに着実な成長を遂げ、選手権優勝を経験してFC東京へと“復帰”した。

 プロサッカー選手としての第一歩を踏み出した。しかし、「ここがゴールではない」と強調する。「ここから何ができるかだと思うし、満足感は一切ない。3年間で成長できたという手応えはあるので、さらに自分が伸びていくんだという気持ちを持ちながら、やっていきたい」。

 この日はチームの始動日であり、新体制発表会見前には初練習が行われ、ファン・サポーターが約2000人も詰め掛けた。練習後にファンと触れ合った廣末は、「『おかえり』と言われたのが一番うれしかった。必要とされているんだなと感じられた」という。ユースに昇格できなかったかもしれない。しかし、青森山田で3年間サッカーに打ち込んで成長し、再びチームに戻った男をファン・サポーターは温かい言葉で迎えていた。

 GKは総入れ替えとなり、移籍組のGK林彰洋やGK大久保択生、そしてFC東京U-18から昇格したGK波多野豪と、同じく新加入の選手がライバルとなる。経験豊富な林、大久保は高い壁となるだろうが、「J1でまず出ることが一番大事だと思う。試合に出ることを第一に考え、とにかく上を目指してやっていきたい」と視線を上に向け、新たな人生をスタートさせた。

(取材・文 折戸岳彦)

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