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インハイ&選手権得点王の青森山田FW鳴海が欧州で宣言通りの2発!大学では「4年間全部得点王取りたい」

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前半27分、青森山田高FW鳴海彰人が先制ヘッド

[1.20 練習試合 青森山田高 4-0 ストラカンFF セント・ジョージズ・パーク]

 宣言通りの2発だった。イングランド遠征初戦は無得点に終わっていた青森山田高だが、ストラカン・フットボール・ファンデーションとの最終戦で試合前に「次の試合は青森山田の代表として頑張ります。FWとして2点決めて終わります」と宣言していたFW鳴海彰人(3年)がチーム初ゴールを含む2発。全国高校総体と全国高校選手権得点王のストライカーが欧州でも結果を残した。

 チャンスでミスしても前線でとにかくボールを要求。それは日本、特に高校生レベルではまず見ないほどだ。自分が良い形で動いた際にボールが出て来なければ味方を叱責し、クロスが合わなければまた仲間を怒鳴りつける。「出せよ!」「オマエ、2回目だぞ!」。ただ、それはチームが勝つために愛情を込めた言葉であり、自分に厳しいノルマを設定するからこその苦言だった。

「自分に出したら点数を取るぞ、と」

 この日は前半7分に決定的な左クロスをゴールエリアで合わせたがGKのビッグセーブにあい、17分には自ら立候補してMF住永翔(3年)、MF住川鳳章(3年)とのじゃんけんを制して蹴ったFKを枠から外すと、「何で蹴るっていうんだよ!」と逆に味方から叱責を受けていた。それでも動じないストライカーは27分、FW佐々木快(3年)の右クロスをファーサイドから頭で押し込んで先制点。「外国人とか守備でボールウォッチャーになるんで、ニアからファーへ逃げる動きはDF捕まえきれないので、それをやった結果です。出し手の佐々木快もいいボールを出してくれたんで。あとは自分の動きで剥がしてヘディングしました」という一撃を狭いニアサイドへ決めて歓喜の輪に包まれた。

 さらに後半9分には味方の見事な崩しから最後はコースへ反転シュートを決めて宣言通りの2点目。「良い崩しでしたね。最後決めるのは自分の仕事なんで」と微笑んだ。2ゴールを宣言したものの、まずこだわっていたのは勝つこと。その姿勢で好結果に結びつけたFWはチームメートたちとの高校サッカーラストゲームを「楽しいですよね。サッカーは楽しいもんですね」と存分に楽しんで終えた。

 前線から見せる連続でのチェイシングによって守備でもチームの勝利に貢献し、身体の強さを活かした繰り返しの仕掛け、鋭いターン、そして抜群の得点力を持つFWでも高卒でプロになることはできなかった。青森山田卒業後は仙台大でプロ入りへ再挑戦。「何かが足りないから(オファーが)来ないと思っているので、それを大学で探して待つというか頑張るしか無いですね。サッカーやっている上でプロは誰もが目指していることなんで、頑張ります。大学では結果を残して、また得点王。4年間全部得点王取りたいですね」。また自分自身に厳しいノルマをかけて、それをクリアし、目標のプロへ進む。

(取材・文 吉田太郎)

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