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[新人戦]選手権埼玉2連覇、全国8強の正智深谷、先輩たちが示してくれた勝ち方、経験吸収してさらに上へ

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前半29分、正智深谷高はMF斉藤輝弥が右足シュートを決めて先制

[2.5 埼玉県高校新人大会準々決勝 正智深谷高 2-0 越谷西高 埼工大G]

 5日、平成28年度 埼玉県高校サッカー新人大会準々決勝が行われ、今冬の全国高校選手権8強の正智深谷高が2-0で越谷西高に勝利。正智深谷は12日の準決勝で西武台高と戦う。

 正智深谷の現3年生世代は01年以降の埼玉において3校目となる選手権予選連覇を達成し、選手権全国大会では立正大淞南高、関東一高、創造学園高を破って同校初となる8強入り。新チームで主将を務めるFW梶谷政仁(2年)は「先輩たちが全国での勝ち方を教えてくれた。先輩たちが結果出してくれたので、また切り替えて、目標にしながら越えられるようにしていきたいです」と力を込めた。

 連続で全国に出場したからこそ得た事前の調整法、そして勝ち方。小島時和監督も「前回の反省もそうだし、選手権へ向けてのスケジュールもそう。連続出場の利点を感じましたね」と振り返っていたが、新チームは先輩たちが示してくれた経験を活かしてさらに上のステージへ駆け上がるつもりでいる。

 新チームは公式戦初戦となったふじみ野高との1回戦を3-0で勝利。この日は大会前に体調を崩していた梶谷が先発を外れたものの、CB中村友空(2年)やMF谷口瑛也(2年)、FW海老塚宝良(2年)、FW西澤悠人(2年)、MFオナイウ情滋(1年)と選手権の経験者たちが先発し、好チーム・越谷西高相手に序盤からボールを支配して攻め続けた。

 谷口の狭いスペースを射抜くパスや左MF萩原駿(2年)のクロス、西澤の仕掛けなどでチャンスをつくると、29分には右FKからキッカー・海老塚が斜め後方へグラウンダーのパスを選択。これをフリーのMF斉藤輝弥(2年)が右足ダイレクトでゴール左隅へ流し込んで先制した。

 その後もセットプレーからCB孫大河(2年)が打点の高いヘッドを繰り出すなど攻める正智深谷は後半開始からオナイウに代えてエース梶谷を投入。12分には萩原の左アーリークロスを梶谷が決定的な形で合わせ、15分には梶谷が左サイドでDF2人を抜き去ってPAへパスを通す。これを受けた海老塚がファウルを受けてPK獲得。だが、海老塚の左足シュートは右ポストを叩いて突き放すことができない。

 越谷西もCB宮崎太一主将(2年)やGK佐藤雅浩(2年)中心とした我慢強い守りで強敵に食い下がる。またFW宝達魁(2年)が縦への鋭いドリブルを見せ、MF北賢也(2年)が上手くボールを奪い取ってから好パスを通すなど攻め返していた。

 だが正智深谷は18分に孫が前線へ左足フィードを通すと、西澤が右足シュートをねじ込んで2-0。その後、チャンスを作りながら3点目を奪えなかった正智深谷に対し、越谷西もサイドやDF背後のスペースを活用して反撃する。だが、抜群の高さを発揮していた孫や幅広いカバーリングを見せていた中村中心に無失点で切り抜けた正智深谷が2-0で勝利した。

 正智深谷は準備期間が短い中でもしっかりと新人戦4強入り。小島監督は「シードがかかっているので負けられないけれど思っていたより支配できていた。相手もいいチームでここまでできたので(今後が)楽しみ」と語り、この日出場した選手たち同様に「控え組がどう伸びてくるか」と期待した。

 13年全国総体での4強に続き、今冬の選手権で8強。「全国のトップの背中がちょっと見えてきた」と小島監督は語るが、優勝争いをするチームとの差も感じている。「強いチームはチャンスで当たり前のように決めてくる」。新チームも堅守速攻の特長を発揮した一方、この日は決定力を欠いた部分もあっただけに、少ないチャンスをものにするような、勝負強いチームになること。そして全国レベルのエースの発掘、強化も必要と指揮官は考えている。

 選手たちはこれからより意欲を持って個、チームを高めていく。選手権で登録外だった孫は「自分が入ってきた時は埼玉県取って全国(優勝)というのは遠いのかなと思っていたけれど、先輩たちが見せてくれたんで可能性はあると思っています。先輩たちがベスト8を経験させてくれたので、それをしっかり越えられるように、自分は悔しさぶつけられるようにチーム助けて、チーム全体で奢らずに去年を越えられるようにしていきたい」。高い目標を持ちつつ、梶谷も「過信せずに自分たちは弱いと考えてやっていく」と語ったように貪欲に上を目指して、先輩たちのように全国へ出て、さらに上まで勝ち上がるチームになる。

(取材・文 吉田太郎)

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