beacon

「番号なしじゃなくて良かった」“練習生”齋藤学、11番のユニフォームで先制アシスト

このエントリーをはてなブックマークに追加

久々の実戦でアシストを記録したMF齋藤学

[2.7 練習試合 横浜FM2-2大宮 シーガイア]

 背番号11が切り崩した。1月末で横浜F・マリノスとの契約が満了となり、現在は練習生の立場で宮崎キャンプに帯同しているMF齋藤学。1本目の24分、左CKのセカンドボールを拾ってMF天野純とのパス交換からPA内左に進入すると、ゴールライン際までえぐってマイナスに折り返し、DF金井貢史の先制点をアシストした。

 最初のCKの競り合いで大宮MF横谷繁がゴール前に倒れていたが、「相手は止まっていたけど、僕らには関係ない。相手の動きも、中の状況も見えていた」と、抜け目なく隙を突いた。2本目の4分には右足で強烈なミドルシュート。これはGKの好セーブに阻まれたが、2本目の17分に交代するまで貪欲にゴールを狙った。

「去年以上にゴール、アシストを増やしたい。自分の役割についてはシビアに考えている。マリノスが上の順位に行けるようにやっていきたい」。強い決意を口にするのも無理はない。昨季限りで契約が満了し、オフには欧州移籍を模索したが、実現しなかった。チームのタイ遠征にも参加せず、練習に合流したのは1月30日。翌31日からの宮崎キャンプには“練習生”として参加している。

 ただ、この日の練習試合に背番号11のユニフォームを着て出場したように、クラブも今後、正式に契約を締結する見通し。エリク・モンバエルツ監督も「彼が残ってくれたことはチームにとって大きい。昨年も決定的な仕事をしてくれた選手。そこは大きい」と、“大型補強”を喜んだ。

「11番を着れて良かった。番号なしじゃなくて良かった」と冗談交じりに照れ笑いを浮かべた齋藤。この日はトップ下に新外国人選手のMFダビド・バブンスキーが入るなど、新戦力とのコンビネーションも確認し、「もっとやっていけば良さを出していけると思うし、僕の良さも出してくれると思う。大宮という去年良かったチームと悪くない試合ができた。すごく良かったわけではないけど、今の時期にすごく良い必要はない」と手応えもつかんだ。

「いろんなチームが補強して、キヨくん(清武弘嗣)が帰ってきたり、面白いリーグになると思う。そこでマリノスが優勝争いに入っていけるようにしたい。去年やってきたことに上乗せがないと、上には行けないと思う」。昨年12月29日の天皇杯準決勝・鹿島戦(0-2)以来となる実戦をこなした齋藤学。横浜FMの背番号11があらためて“リスタート”を切った。

(取材・文 西山紘平)

●2017シーズンJリーグ全クラブ練習試合

TOP