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「あのしなやかさを手に入れたい」完全復活期す武藤嘉紀が追求する“理想のカラダ”とは

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ケガをしたことで気づいたこともあると話すFW武藤嘉紀

 ライバルに差をつけるのは技術だけじゃない。スキルを支えるカラダのフィットネス、コンディショニングが万全でなければ、自分の持っている技術を100%発揮することはできない。がむしゃらに鍛えればいいわけでもない。キミは自分のカラダを理解し、自分のカラダに適したトレーニングができているか? ハードな練習や試合の直後に何をするか。そこでライバルとの差はついている。

 練習時に「テックフィット」をカラダに身につけ、「アミノバイタル」をカラダに取り込む。アディダスとAJINOMOTOによる“テックフィット×アミノバイタル”は「挑めるカラダPROJECT」として、部活生が次の負けられない試合で最大限のパフォーマンスを発揮するための「明日、勝つためのルーティーン」を提唱する。


 ケガをしたことで、あらためて気づいたこともある。クラブユース、大学サッカー、Jリーグ、ブンデスリーガ、そして日本代表。一つずつ階段を上ってきたサッカー日本代表FW武藤嘉紀(マインツ)はステージが変わるたびに自分のカラダと向き合い、変化と進化を遂げてきた。武藤が考えるカラダづくりと、その理想形は――? 2017年、完全復活を期すスピードスターに直撃した。

―FC東京U-18、慶應義塾大、Jリーグ、ブンデスリーガと、ステージが変わるたびにカラダづくりの面で意識も変わりましたか?
「変わってきていますね。カラダづくりという意味では高校生になって初めて本格的に筋トレなどを始めましたが、そのときは詳しいことはよく分かっていなかったですし、だれかが“いい”と言ったことを実践するというか、とにかく聞いたことをやるだけでした。自分がやっているトレーニングがいいのか悪いのかも分かっていませんでしたし、ノウハウもないので、そのトレーニングをやってみた結果、自分が強くなったのか、逆に動きづらくなったのか、あるいは俊敏になったのか、成功と失敗を繰り返しながら試行錯誤を続ける時期でしたね」

―失敗することがあったとしても、とにかくトライを繰り返したということですか?
「さまざまなトレーニングを試していくうちに、これは自分に合っている、逆に合っていないというのが分かるようになりました。だからこそ、最初はトライしないといけない。良くない結果が出たなら、それもまた経験として次に生かせます。結果として自分に合ったトレーニングというものを見つけていけますし、早い段階からカラダづくりへの取り組みは始めたほうがいいと思いますね」

―武藤選手の中で方向性が見えてきたのはいつごろでしょうか。
「高校1年から2年のときですね。当時はサイドバックをやっていました。本当は前のポジションで勝負したかったんですけど、監督から『サイドバックに挑戦してみろ』と言われていた時期でした。サイドバックだと、マッチアップする相手のサイドハーフはそのチームの核となる選手が多いんですよ。うまくて、強くて、年齢も上だったりして、そういう選手と対峙したときにフィジカルでかなわなくて、そのときに始めないといけないなと思いましたね。とにかく最初は監督やコーチ、トレーナー、フィジカルコーチに教えてもらったことを続けていました。クラブユースということで、器具もそろっていましたし、良い環境にいられたと思っています」

―ユースからトップチームに昇格せず、大学進学を決断したのも、そういうフィジカル面を考えてのことだったんでしょうか。
「そこは考えていましたね。自分がここ(プロ)で戦うにはまだ早いと思いました。心の準備もそうですし、カラダの準備もまだできていないと、自分自身で思っていました」

―当時はとにかくカラダを強くする、大きくするというイメージでしたか?
「そのときはそういうふうに考えていました。カラダのバランスや、何かが崩れるかもしれないとか、そういうことは考えられていなくて、とにかくカラダを強くしないといけないというイメージでした。大学生になってからはがむしゃらにやりましたよ。とにかくカラダを大きくしよう、強くしようということだけを考えていました」

―今はまた違う考えになったのですか?
「これだけハードなスケジュールになると、やりすぎてしまっても、自分の体の負担になります。かといって、やらなかったら弱まってしまうので、そこのバランスは考えますね。それと、柔軟性を意識しています。2016年は自分自身、リハビリの時期が長くて、筋トレなどで筋力を強化することばかり考えてしまって、筋肉の柔軟性が少し失われてしまったのかなと反省しています」

―柔軟性を身につけるために取り入れていることはありますか?
「ヨガですね。鍛えるだけだと、筋肉が固まってしまって、動きを抑制することにもなりかねません。強靭かつ柔軟な筋肉を手に入れたいという思いがあって、そこが今、目指しているところですね」

―いつごろからヨガを始めたのですか?
「まだ初心者で、自分のモノにはできていません。去年は試合に出場する時間も少なかったので、ヨガの効果を感じるまでには至りませんでした。今年は毎日、積み重ねていきたいですね。筋トレだけでなく、ヨガのような柔軟性を出すトレーニングも積極的に取り入れていきたいと思っています」

―武藤選手はドリブルやスピードが持ち味のプレースタイルですが、体を重くすることは決して良いことではないですよね?
「良いことではないですね。昨年は自分自身、そういうバランスを考えられていませんでした。膝をケガしたこともあって、膝の周りを強くしようと、そこに一生懸命になりすぎてしまった。力を抜くことだったり、柔軟な筋肉をつけることを少し忘れてしまっていたんです。そこはもったいなかったと思いますが、このケガがあったからこそ気づけたことでもあります」

―ドイツに行ってから変わった部分もありますか?
「ドイツの選手はダンプカーみたいですから(笑)。普通の乗用車に大型のトラックが突っ込んでくる感じですよ。そもそも体格も骨組みも違うんです。そういう選手たちに対して自分がいくら強さを身につけたしても、もともとの重さや骨の強さが違うから、そこでは勝ち切れない。190cm以上の選手を背負うこともあるわけですから。そのとき何が必要かと言ったら、それをいなせる力。ガツンとぶつかったときに、それをいなして次のプレーにつなげられればというイメージを持っています」

―単純に力対力で挑んでも仕方がないと。
「僕はそこをはき違えていました。相手が強いから自分も鍛えようと思って頑張りすぎてしまった。海外の選手と戦うとなったら、それだけではダメで、柔軟性も必要になります。トレーニングしなくていいという意味ではないですよ。強くして、かつ柔軟性を身につける。柔らかい筋肉をつけるのが今の目標ですね」

―それはケガをしたから気づけたことでもあるんですか?
「そうですね。一度、自分の体をすべてトレーナーに見てもらいました。ケガをしたことで股関節が固まっていたり、可動域が狭まっていたり、動きづらいカラダになっていました。下半身が強くても、上半身が弱かったらそれだけでブレが生じますし、前が強くて後ろが弱かったら、前には強く行けても背後には弱い選手になる。そういうバランスを整えていかないといけないと思っています」

―カラダづくりという意味では練習の際には必ずアミノバイタルを摂っているそうですね。
「はい、大学生のころにプロテインをいろいろ試して、プロになってからアミノバイタルを飲み始めました」

―練習中はテックフィットを着ているんですか?
「練習でも試合でも着ていますよ。パフォーマンスも変わると思いますし、体に圧着されているから自分の筋肉の状態が分かるんですよ。筋肉が張っているなとか、自分のカラダの変化に気づきやすいというのもあります」

―ケガの種類は違いますが、内田篤人選手も右膝のケガから復帰しました。長期離脱からカムバックした姿を見て感じることはありましたか?
「もちろんありますよ。一緒にリハビリもしていましたし、どれだけつらかったかも分かります。自分は内田選手よりも全然重くないケガ。こんなケガでめそめそしていられないと思いましたし、本当にやらないといけないなという気持ちでした」

―ケガがあったから気づけたこともあった。
「もっと早く気づければ良かったですけどね。でも、このタイミングで良かったと思っています。どんどんFIFAワールドカップも近づいてきますし、ここで気づけたことはポジティブに捉えています」

―2017年はさらにパワーアップした武藤選手を見られそうですね。
「自分自身、ここからどう変わっていくのか楽しみですね。これ以上、悪くなることはないですから。2016年が最悪な状態だったので、ここからが楽しみです」

―理想のカラダがもたらすプレーとして、どういうイメージを持っていますか?
「試合を見ていて、この選手のドリブルだったりバランスをモノにしたいなと思うのはネイマール選手ですね。決してカラダが大きいわけではないですが、相手とぶつかっても、その力を吸収して次のプレーにつなげる柔軟さを持っています。あのしなやかさを手に入れたいですね。しなやかさを手に入れることができたら、ドリブルのスピードも、動きのなめらかさも変わってくると思います。そこは自分自身、本当に楽しみにしています」

―カラダづくりの面で今の高校生にアドバイスをいただけますか?
「とにかくいろいろ挑戦してみることですね。重いものを上げるだけでなく、体幹トレーニングをやってみるとかでもいいですし、いろんなトレーニングを続けていくことで自分のカラダの変化も感じられると思います。とにかく挑戦してみること。それが合わなかったらやめればいいだけですし、何もやらなければ成長はないですから。いろんなことに挑戦して、そこから自分に合うものを抜粋していく。あとはノウハウを持った人の意見をしっかり聞くことも大事ですね。活躍している先輩にどういうトレーニングをしているのか、どうしてそうなったのかを聞くのもいいと思います」

―まずは自分のカラダを知ることが大事になりますね。
「絶対に大事ですね。人によってカラダは違いますし、筋肉がつきづらい選手もいます。筋肉をつけすぎると、動きづらくなる選手もいます。自分に合ったトレーニングをすることが大事ですし、チームメイトから学べるものもあると思いますよ。僕自身、マインツで他の選手を見ていて、『このトレーニングいいな』と思ったら、すぐに自分でも実践しています。とにかく経験ですね。まず手を出してみることが大事だと思います」

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