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[新人戦]「全然ダメだったな、と」。素材感ある10番、熊本国府MF井手口は涙の一戦から奮起誓う

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熊本国府高MF井手口凌我

[2.11 九州新人大会予選リーグ第2節 熊本国府高 0-0 佐賀学園高 佐賀県総合運動場陸上競技場]

 悔し涙を流した10番が決勝トーナメントでゴールを奪う。熊本国府高は昨年からのレギュラーであるMF井手口凌我(2年)が素材感あるプレー。この1年で3、4cm伸びて170cm台後半の身長になったというMFは、チームメートからも認められているバネとスピードを活かした独特のドリブルで目の前のDFを剥がしてチャンスメークした。

 身長が一気に伸びたことで、筋力面が追いついておらず、身体のバランスを崩しているという。この日もDFをかわしかけながら踏ん張りがきかないようなシーンがあったり、思うようにボールを運べずに失うシーンがあった。

 まだまだこれからの選手だが、しなやかでスピードもあるアタッカーは将来性十分。「ドリブルが特長だと思います。取られない位置に置いて、まずは縦に仕掛けてクロス入れたり、相手の動きに合わせて動いている。スピードとジャンプ力が少しあると思います。練習中とかにみんなでやって、『バネあるよね』と」という10番の今後に注目だ。

 試合後は他のチームメート同様に涙も。「振り返って全然ダメだったなと。(チームとしても、個人としても)まだやれたなという感じですね」と唇を噛んだ。取材を受けている間も、悔しさを抑えきらずに目から涙が溢れ出ていた。チームは今大会2試合連続無失点も、得点はゼロ。それだけに、これ以上守備陣に負担をかける訳にはいかない。

「明日はまず一戦一戦大事なので1点でも取ること。国府は守備のチームなので守って守ってカウンターで一発決められればいいと思います。(個人的にも)ゴール決めれていないので1試合1点決められるようにやってきたい」。準々決勝の対戦相手は昨年、プリンスリーグ九州と総体九州大会2冠の強豪・長崎総合科学大附高。俊足FW字室航平(2年)とのホットライン構築にも期待高まる井手口は、意地でもチームにゴールをもたらして、10番の役割を果たす。

(取材・文 吉田太郎)

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