beacon

「そこが小川くんや岩崎くんと違った」…FW中村駿太に芽生えた“自覚”

このエントリーをはてなブックマークに追加

U-18Jリーグ選抜の一員として先発出場を果たしたFW中村駿太(柏U-18)

[2.18 NEXT GENERATION MATCH U-18Jリーグ選抜0-4日本高校選抜 日産]

 最前線に配置されたからこそ、チャンスがあったからこそ、無得点という結果に悔しさを滲ませる。U-18Jリーグ選抜の一員として先発出場したFW中村駿太(柏U-18)は、「今は落ち込んでいます」と肩を落とした。

 2トップを組んだFW久保建英(FC東京U-18)とはプレー経験があるからこそ、「建英が左足で持って前を向いたときは、絶対に良いパスが出てきてチャンスになる」とイメージしてピッチに立った。中村が170センチ、久保が168センチとともに小柄だが、鋭い動きで頻繁に左右の位置を代えて相手守備陣を混乱させ、隙を突いてはゴールに迫ろうとした。しかし、裏に抜け出そうとする動きは幾度となくオフサイドの網にかかり、たとえ守備網を突破してシュートまで持ち込んでも相手選手のブロックに遭ってゴールを奪うことはできなかった。

「無得点だったのは自分の責任だし、何本かあったチャンスも外してしまった。そこを決め切ってこそ、自分の価値がある。しっかり切り替えて、もっと選択肢を増やせる選手になりたい」

 昨年10月に行われたAFC U-19選手権に臨むU-19日本代表にはフィールドプレーヤー最年少として招集された。グループリーグ第2戦イラン戦で先発出場を飾ると、準決勝のベトナム戦でもスターティングメンバーに名を連ねて2得点を記録。決勝のサウジアラビア戦で出場機会は訪れなかったが、チームはPK戦の末に勝利を収めてアジア王者に輝いた。

「大会に入る前は、1点は取って帰りたいと思っていた」。見事にネットを揺らし、自身の存在価値を証明することに成功したが、課題も見つかったと振り返る。「U-19の活動にはあまり参加していなかったので、長い時間ピッチに立てないだろうと思っていた。でも、そういう考えがあったことで、小川(航基)くんや岩崎(悠人)くんとチームへの貢献度に差が出てしまった。そこが大きく違ったと思う」。苦しむチームを救うゴールやアシストを重ねたFW小川航基(磐田)やFW岩崎悠人(京都)と自分とでは、大会に挑む覚悟が違ったと感じたようだ。

 だが、悔しい思いも経験したからこそ、「自分もまた代表に選ばれて結果を残したい」と自覚も芽生えた。今年5月には韓国でU-20W杯が開催される。「アジア王者を経験したことで、W杯メンバーに入りたい気持ちはドンドン強くなっていくはずです。残りの期間でどれだけアピールできるかが大事だと思うので、毎日全力で取り組んでいきます」とまずはメンバー入りを狙う。

(取材・文 折戸岳彦)

TOP