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左サイドを疾走、G大阪システム変更のキーマン藤春が躍動「もっと走らないと」

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DF藤春廣輝は足がつるほど走り続けた

[3.5 J1第2節 柏1-3G大阪 柏]

 左サイドを疾走した。前半7分、MF倉田秋のスルーパスでDFの裏を取ると、ピンポイントクロスをFW長沢駿の頭に合わせて先制点を演出。前半17分のアデミウソンのシュートを長沢がコースを変えた場面、オフサイドで取り消された場面も起点は左サイドを突破したDF藤春廣輝だった。

「ウチは前線に素晴らしい選手がいますし、常にDFの裏は突けるかなと思っている。いいタイミングで上がって、いいタイミングでクロスを上げれたかなと思う」。3-1で快勝したガンバ大阪にあって、藤春の献身性は光っていた。

 昨年末よりG大阪は、攻撃力を生かすためにシステムに変更を加えている。4バック時には中盤のダイヤモンドを採用。サイドにスペースが生まれることで、藤春にはより攻撃参加が求められている。

 ここ2試合で採用している3バックのシステムでも藤春に求められるのも、やはり攻撃力だ。「今ちゃん(今野泰幸)が中に入ってくれる分、僕のサイドは空きますし、裏を取れば一発でクロスというところまで行ける。今日も何回かありましたけど、それをどんどん続けていければチャンスも増えるのかなと思う」と新システムへの手ごたえを語る。

 もう一つ、今季は藤春の攻撃力を生かすことのできる変化があった。CBにDF三浦弦太が入ることによって、ロングフィードで抜け出す選択肢が増えたことだ。「弦太は長いボールが蹴れる。ロングフィードがうまい選手なので、そこは2人で話し合ったりしている」と新ホットラインの成熟にも意欲的だ。

 今季の公式戦はすでに5試合目。藤春は5試合すべてに先発出場。うち4試合で90分フル出場を果たしている。心配される疲れについては、「今季は本当にやばい」と隠そうとはしない。昨年末まで天皇杯を戦い、今季はどのチームよりも早く公式戦の戦いが開幕したことによる休養期間の短さも指摘されているが、システム変更による運動量の増加もあるという。だが藤春はこの日も倉田に次ぐチーム2位の12.306kmを走破。持ち前の運動量を落とすことなく、プレーを続けている。

「4-4-2と4-3-1-2だと全然運動量が違うので、そこも影響していると思う。3-5-2になると余計にサイドの選手はきつくなる。でも監督自身もサイドの選手が走れることを前提のこのフォーメーションにしていると思う。だからサイドの選手はもっと走らないといけない」 

 この日、日立柏サッカー場には日本代表のハビド・ハリルホジッチ監督が視察に訪れていた。日本代表の左SBのレギュラーであるDF長友佑都はインテルで出場機会の激減に悩まされている。この日の活躍がハリルホジッチ監督のお眼鏡にかなったかどうかは分らないが、藤春が招集を受けても何ら不思議ではない。

 ただまずはチームで結果を残していくことが先決だとも話す。来週は久々に週中にゲームのない週だが、週末にはFC東京戦、ACL江蘇蘇寧(中国)戦をはさみ、浦和戦と難敵をホームに迎える3連戦が待っている。「しっかり疲れを取って、また頑張りたい」。今季のG大阪の戦いに藤春の成長は欠かせない。

(取材・文 児玉幸洋)
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