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元日本代表・茶野氏がコーチの新潟医療福祉大、続々有力選手集結!MF霞「とても楽しみ」

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デンチャレで関東B・北信越選抜の一員としてプレーした霞

 新興勢力の誕生も近いのかもしれない。関東や関西勢の活躍が光る大学サッカー界において、一際強化を進め、目を引く大学がある。北信越大学リーグに所属する新潟医療福祉大だ。昨季は創部初となる天皇杯本戦出場したほか、総理大臣杯全日本大学トーナメントに4年ぶりの出場を果たした。2017年の入部予定選手には実力者が勢ぞろい。どのような大学なのか。

 アルビレックス新潟と連携しており、監督を務めるのは2013年まで桐光学園高を率いた佐熊裕和氏。千葉や磐田でプレーした元日本代表の茶野隆行氏がコーチを務めている。普段の練習は新潟の練習場に隣接する新潟聖籠スポーツセンターアルビレッジを使用しており、「自分たちが練習している奥でプロのトップの選手が練習をしているのは恵まれていると思います」とMF霞恵介(新潟医療福祉大2年=青森山田高)が言うような環境だ。時折、新潟と練習試合を行うほか、人数が足りない場合は新潟の練習に数名が参加することもあるという。

 学生寮はないため、基本は一人暮らし。希望者には夕食として有料のアスリート食も提供されるが、多くの選手が自炊するなどして日々生活を送っているという。ちなみに“上下関係”は厳しくないようで、霞は「あまり上下関係なく緩いです。先輩や後輩などは関係なく、いい関係でできる雰囲気があります。くん付け? そうですね」と笑って教えてくれた。

 昨季は新潟県サッカー選手権大会を制し、創部初の天皇杯出場。北信越リーグでは3年連続4位。全日本大学選手権(インカレ)出場には届いていないものの、昨年の総理大臣杯には4年ぶりに出場。初戦敗退となったものの、1回戦では大阪体育大(関西)と2-3の死闘を演じた。終了間際アディショナルタイム2分の失点で敗れたが、全国舞台で戦える力を着実につけてきている。

 また以前から強化に力を入れていたが、今季はより一層選手が集まった。青森山田高(青森)の守備の柱として、全国2冠に貢献したCB橋本恭輔やFW佐々木快、選手権準優勝の前橋育英高(群馬)からはMF高沢颯。全日本大学選抜MF脇坂泰斗(阪南大3年=川崎F U-18)を兄に持つMF脇坂崚平(湘南工科大附高)などが進学予定。Jクラブユース勢の強豪からはDF轡田登(浦和ユース)とDF関海斗(横浜FMユース)が加入予定となっている。(→入部予定選手はこちら)

 豪華なルーキーたちの集結に先輩たちは驚きを隠せず。霞は「今年は特に結構集まりすぎかなというくらい選手が来るので。ちょっと自分たちもびっくりしています。こんなに集まるんだと……」と言いつつも、「まだ誰も一緒に練習していないので、わからないですけど。一緒のチームでやれるのはとても楽しみです」と歓迎した。

 今年2月に行われた地域選抜対抗戦のデンソーカップチャレンジサッカー刈谷大会では、北信越選抜は関東Bとの合同チームだった。MF濱託巳(新潟経営大2年=藤枝明誠高)とともに関東Bの選手たちとプレーした霞は「約1か月前から合宿をしていて、練習でも関東のレベルが高いなとすごく感じました。でも、やっていくなかで自分としてもやれる部分が見つかり、手応えを感じることができたので良かったです」と振り返る。

「関東もレベルが高いので、そこの大学でやってみたかったという思いも最初はありましたが、今回こういう風に選抜にも入れましたし、新潟医療でやってきて良かったなと思います」

 強化を進める新潟医療福祉大。有力ルーキーたちを引き連れての2017シーズンに期待は高まる。霞は「去年はインカレには出れず、総理大臣杯には出れましたが1回戦で負けてしまいました。全国レベル的には低い方だと思うので、そこでまずしっかりと全国出場できる力をつけて、全国でも勝てるようにレベルアップして頑張っていきたいです」と謙虚に口にした。

 北信越リーグでは北陸大が2年連続で優勝しており、その後ろには金沢星稜大新潟経営大も控える。新潟医療福祉大は“新興勢力”として割り込み、全国舞台まで駆け上がれるか。

(取材・文 片岡涼)

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