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[東京都1部L]選手権予選決勝の再戦、帝京vs駒澤大高はスコアレスドローに

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名門・帝京高と2年連続で全国8強の駒澤大高との一戦はスコアレスドローに

[3.10 東京都1部リーグ第2節 帝京高 0-0 駒澤大高 駒沢補助]

 10日、高円宮杯U-18サッカーリーグ2017 東京(Tリーグ)1部第2節の帝京高駒澤大高戦が行われ、0-0で引き分けた。

 16年度の全国高校選手権東京都Bブロック予選決勝の再戦となった一戦は、互いにアプローチスピード速く、局面の攻防で激しい戦いが演じられた結果、勝ち点1を分け合った。序盤は選手権予選決勝の雪辱に燃える帝京が194cmFW赤井裕貴(1年)へボールを集めて駒大高陣内でプレーする時間を増加。だが、駒大高も勢いのある攻撃から敵陣でセットプレーを獲得するなど相手を押し返す。そしてFW椛澤陸(2年)の左足キックや両サイドからのロングスローで帝京ゴールに迫った。

 駒大高はCB羽鳥陽祐(1年)が自身よりも15cm長身の帝京FW赤井に対して空中戦、1対1で対抗。また、日本高校選抜候補のCB西田直也(2年)とCB齋藤我空(1年)という主軸2人が不在の中、本来のFWではなくCBを務めている米谷拓海(2年)が対人の強さと危険を素早く消す動きを見せてシュートを打たせない。

 その駒大高は27分、連動した守備から敵陣でインターセプトしたMF中村一貴(2年)がDFを外して決定的な右足シュート。駒大高は相手の背後へ抜け出す中村やFW秋遼太郎(2年)が絡んだ攻撃からボールをPAまで持ち込んだが、日比威監督から「ディフェンスのところだけはしっかりしろ」と指示されていたという帝京はCB岩本嶺(2年)が前半だけで2本、3本とシュートブロックしていたほか、主将のCB菅原光義(2年)が幅広いカバーリングでピンチの芽を摘むなど得点を許さない。

 その帝京は注目1年生コンビが攻撃の中心に。MF三浦颯太(1年)が的確な配球で駒大高の背後を狙い、10番FW佐々木大貴(1年)は緩急あるドリブルを活かしてシュートへ持ち込もうとした。そして43分には相手DFと入れ替わったFW赤井が抜け出したが、シュートを打つことはできず、0-0で前半を折り返した。

 帝京は後半8分、MF中田廉太郎(2年)の右クロスをファーサイドの三浦が頭でゴールへ押し込んだものの、オフサイドの判定でノーゴール。一方、駒大高は後半、大野祥司監督が「アシストするとか得点する選手に」と期待する1年生MF江藤惇裕がカウンターから好パスを配球し、右SBからボランチへポジションを移したMF山田英生(1年)も攻守でチームの期待に応えるプレーを見せる。

 21分には中村がクロスのこぼれ球を拾って右足シュートを放つが、帝京GK白井貴之(2年)が阻止。互いに勝ち点3を目指した終盤は攻撃のギアを上がり、ゴール前のシーンが増えた。帝京は相手DFラインのギャップへボールを動かし、佐々木が連続シュート。駒大高は3連続CKでゴールを破ろうとしたほか、FW菅原弦人(2年)やFW秋元樹(2年)が抜け出して決定機を迎える。だが帝京の粘り強い守りの前に1点を奪うことができないまま試合終了。両チームともに意識していた守備の部分ではゼロで終えたものの、ゴール前のパワーや精度を欠いてスコアレスドローとなった。

 駒大高の大野監督は「初めてゼロで抑えていたので。そこはウチの伝統的なところなので、ここ2戦2点取られて、2点取られてだったので気にはしていた」。公務のため、指揮官がなかなかチームを見ることが出来ていない中、この日は無失点に抑えることができた。4日の実践学園高戦(0-2で敗戦)に比べると、戦う部分や局面の攻防で上回る部分など発揮できていなかった“駒大らしさ”を発揮していた印象だが、それでも米谷は「自分達はビデオミーティングして戦えていないと再確認して臨んだんですけど、最後決めきれなかったり、駒大らしくないと感じていますね」と厳しかった。

 一方、帝京は4月までを強化期間と捉えて、選手達をトレーニングや連戦で追い込んでいるという中でのドロー。日比監督は「ゼロで抑えたことは良かったかな。でも残り15分切ったところで1点取らないといけない」と語り、菅原も「今回はゼロで守りきったことが1番大きいと思います。守備はちょっと練習してきたので前回より良かった。ラインのコントロールとかしっかり跳ね返すところとかは良かったと思います」と守備については及第点を与えていたが、「勝ち点3で終わりたかった」と悔しがった。今後へ向けて前向きな部分もあったが、勝機を活かせなかった両校。駒大高は1勝1分1敗、帝京は1分1敗となった。

(取材・文 吉田太郎)

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