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[MOM2060]帝京DF菅原光義(2年)_伝統校の守備の柱は「不言実行」の168cmCB

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選手権優勝6回の伝統校・帝京高の新たな守備の柱、CB菅原光義主将(右)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[3.10 東京都1部リーグ第2節 帝京高 0-0 駒澤大高 駒沢補助]

 試合終盤は駒澤大高に3連続CKからゴールを脅かされたほか、背後を突かれて失点の危機を迎えるシーンもあった。だが、帝京高は90分間得点を許さず。選手権予選決勝で0-2のスコアで敗れている仇敵に勝利することこそできなかったものの、勝ち点1を死守した。

 前半、ピンチでシュートブロックを連発していたCB岩本嶺(2年)や集中したカバーリングを見せていた右SB松永悠希(2年)、左SB久保莞太(1年)、MF渡辺楓(2年)らの奮闘も光っていたが、守備の柱であるCB菅原光義主将(2年)は最も欠かせない存在だった。

 日比威監督も「DFラインの中で安定している」と評価する菅原は最終ラインを広範囲にカバー。GKとの間に落ちるボールを判断よく奪ったり、蹴り返したりしていた。「それを(カバーリング)やらないといいところがないので」という168cmCBは、大柄な相手とのマッチアップでも身体を張った守備を連発。「小さくてもやれる」と言わんばかりにマークする相手に身体をぶつけ、空中戦でも対抗するなど存在感あるプレーを続けていた。

 昨年は伝統校の最終ラインの一角を担い、選手権予選決勝ではアンカーの位置でセカンドボールを回収する役割も担った。今年、守備の柱として期待されるCBは「去年出ていたというのがあって、自信というか、みんなに発信できるというか、去年はこうだったからこうだと言えます」。プレーや言葉で自身が経験してきたことをチームに伝える役割も果たしている。

 下級生時から公式戦出場を重ねてきたDFは今年、主将も務める。周囲から見ると納得の主将就任だが、本人は「びっくりしました。そんなやるタイプではない」という。それでも就任したからには「チームを引っ張っていかないといけない。チームに良い声がけができればいい」とリーダーとしてチームを引っ張ることに注力している。

 日比監督が「ずっと追い込んでやっている」というチームは練習で1対1や2対2を繰り返し行い、個々が役割を果たすための強化を図っている。伝統校復活へ向けて少しでも力を身につけること。今年の帝京の主力候補は下級生が多いが、1月の“裏選手権”(ニューバランスカップ)で4強入りするなどポテンシャルは十分にある。それでも菅原はDFの柱である自身についても、チームについて強気なコメントを全く発さない。「昔からこんな感じであんまり自分がいいとか言いたくないので」。今後も景気の良い発言をすることはないだろう。それでも「不言実行」。ライバル達以上に努力して、必ず結果で示す。

(取材・文 吉田太郎)

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