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[MOM2065]東福岡MF田村和玖人(新3年)_Cチームにいても諦めなかったMFが青森山田から決勝点

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前半11分、東福岡高はMF田村和玖人(12番)が決勝点

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[3.16 サニックス杯予選リーグ第2節 青森山田高 0-1 東福岡高 グローバルアリーナ]

「自分、ずっと2年生の時までCチームで。急に上げてもらって、(初戦で)福田湧矢もケガして『来るやろうな』と緊張していました」。素直なコメントからもその緊張感が伝わってきた。東福岡高のCチームから這い上がってきたMF田村和玖人にとっては、少ないチャンスを活かせるかどうかの勝負の大会。この青森山田高戦前には不安もあった。だが、Cのカテゴリーにいる時でも地道にトレーニングを続けていたMFは結果を残す。

 2シャドーの一角として先発出場した田村は前半11分、左MF木橋友輝のクロスボールに反応。ファーサイドからDFのマークを外して中央へ飛び込んだ田村の左足シュートがゴールネットを揺らす。

「木橋くんのクロスが良かった。いつも練習後にフリーでクロスから飛び込むというのは練習していた。一回外出て相手の前に入ったらいいボールが来たので当てるだけだった」

 際立ったストロングポイントを持っている訳でないことは自分自身で理解している。その分、チームのために走ること、守備をすることを考えていた。前半は相手DFラインの背後を狙った動きを連発。後半は青森山田に押し込まれる中でその回数は減ったが、それでもチームのために走り続けたMFは1-0での勝利に貢献した。

 森重潤也監督も「良いアピールしたと思う」と讃えた田村のゴール。1学年100人もの部員がいる東福岡には九州だけでなく、本州からも実力者達が集まってきており、Aチームの試合に出ることは容易ではない。関西の強豪、センアーノ神戸から福岡の名門で挑戦した田村も現実を目の当たりにした一人。なかなかAチームに絡めずにいたが、「できることはやっておこうと。めっちゃ頑張ろうというか、今やらなアカンことは何か、ずっと考えていた」。昨年、筋力トレーニングでフィジカル面向上に励んできたMFは1月の県新人戦でチャンスを得ると、その後ケガで九州大会のメンバーからは外れたものの、再び訪れたチャンスでしっかりと結果を残した。

 サニックス杯でのアピール期間は残り3日間。田村は「チームとしてはここの予選で流経(流通経済大柏高)とか強いところ多いですけど、勝ち抜いて優勝できたらいい。自分はチームのために走ったり、あまりストロングポイントとかないので、チームのためにはしったり 守備したりしたい」と誓った。

(取材・文 吉田太郎)

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