beacon

[UAチャレンジカップ]初挑戦のプリンスリーグへ意識高い聖光学院が2-0勝利!本格強化開始の盛岡ユースも繋いで健闘

このエントリーをはてなブックマークに追加

前半12分、聖光学院高はMF半田琉人が左足で先制ゴール

[3.27 UAチャレンジカップ 聖光学院高 2-0 盛岡ユース 新舞子フットボール場]

 革新的なサッカーイベントを通じ、ユース期において必要とされる様々な情報、知識を提供することで、世界に通用するサッカー選手育成を目指す「アンダーアーマーチャレンジカップ 2017 SPRING」が27日に福島県いわき市内で開幕。聖光学院高(福島)とグルージャ盛岡ユース(岩手)との開幕試合は聖光学院が2-0で勝利した。

 今年、プリンスリーグ東北に初参戦する聖光学院。山田喜行監督が「選手にとって最高の経験になると思う」と期待する大会へ向けて、選手達も「どういうことをしないといけないのか勝手に考えるようになった」(山田監督)と変化してきているという。この日は雪混じりの雨と強風の影響で試合開始が1時間先送りされる悪コンディション。また、今回27名の選手が帯同している聖光学院はA2メンバー中心の陣容だったが、それでも意識高まっている集団は白星スタートを切った。

 聖光学院は前半12分、タイミング良く右サイドを抜け出したSB関根拓実(新3年)のクロスをファーサイドで受けたMF半田琉人(新2年)が左足で決めて先制する。その後もキック精度高いMF府津羅主直(新3年)や上手くマークを外してボールを受けるFW石澤勇貴(新3年)らを中心にボールを動かす聖光学院はスペースを活用しながら2点目を狙った。

 対する盛岡ユースは先発の新3年生がFW佐々木緑久だけで残りは1年生6人、2年生4人の陣容だった。だが、昨年までは人員が少なく、ジュニアユースの選手を加えて試合を行っていたというチームは今年、多くの選手がジュニアユースから昇格。県外からの選手の受け入れ体制も整い、本格強化をスタートさせている盛岡ユースは悪天候の中でチームの目指すサッカーをしっかりと表現していた。

 就任1年目の井出大介監督が「雨だから蹴らせることはしたくなかった。結果出なくても絶対に繋ぐ。自分達が岩手のサッカーを変える意気込みでやっている」と説明するチームは、高校入学前からトップチームの練習に参加しているという注目MF清水敦貴(新2年)と新1年生のレフティー・MF小鳥谷法人、MF及川悠斗(新2年)のトライアングルを中心に狭いスペースでも正確にボールを動かして前進していた。

 もちろん、相手の素早い守備の前にミスが起き、ボールを失うことも少なくなかったが、下級生中心のチームはチャレンジし続けて健闘。前半29分には「早くトップの選手としてピッチに立って色々な人に見てもらいたい。もっと相手を自分のドリブルで剥がしたい」と語る清水がインターセプトから一人で持ち込んで決定的な左足シュートを放った。

 だが、聖光学院は後半5分、関根の右アーリークロスからFW須藤祐斗(新3年)が頭で左隅に決めて2-0。ゲームをコントロールしながら試合を進めた聖光学院はその後もMF細谷康太(新2年)がドリブルシュートを放つなど主導権を離さない。

「ビビらずに後ろからビルドアップしようと言っていた」(清水)という盛岡ユースも反撃し、ゴール前で身体を投げ出して詰めた佐々木のシュートが聖光学院ゴールを襲ったほか、終了間際には佐々木のスルーパスでFW菊池悠斗(新2年)が抜け出す。だが聖光学院はGK船山光輝(新2年)が1対1を阻止して2-0での勝利を果たした。

 聖光学院は4月に開幕するプリンスリーグへ向けて各選手が意識高い試合をして勝利。関根は「先輩たちが(プリンスリーグへ)上げてくれたので、落ちないことを第一に目指す。練習とかミーティングでAサブとトップのAチームが『福島県で一番熱い紅白戦』をするように言われている。サブの選手たちはAチームにいつも勝ってトップに上がってやるという気持ちを持ってやっています」。力強さやタフさ、精神力の面ではまだ昨年のチームに届いていないという。だが、チーム全員が強い意志を表現し続けて強さを身に着け、初のプリンスリーグで周囲を驚かす。

(取材・文 吉田太郎)
アンダーアーマーチャレンジカップ2017 SPRING

TOP