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[MOM2083]明秀日立FW湯澤涼(新3年)_“優勝決定戦”で2発!中学時控え、2年間Aチームでの出場無しのFWが大活躍!!

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明秀日立高FW湯澤涼

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[3.29 UAチャレンジカップ 明秀日立高 5-1 聖光学院高 いわきFCフィールド]

 優勝した1月の新人戦茨城県大会は登録外。今大会がAチームで初の対外試合だとは、とても思えないようなプレーの連続だった。明秀日立高は先発に抜擢されたFW湯澤涼(新3年)が2得点の大活躍。勝者が優勝となる“優勝決定戦”でチームを勝利へと導いた。

 前半3分、湯澤はFK後の混戦からこぼれ球を上手くDFから遠い位置へコントロール。そして右足でゴール左隅へ突き刺した。さらに18分にPAへの好パスで2点目を演出すると、1点差に迫られて迎えた後半12分に自身の特長を活かしたゴールを決める。

 バイタルエリアでボールを持った湯澤はダイレクトのワンツーで左サイドへ展開。そしてすぐさまゴールエリアまで走りきる。身体を投げ出してMF岩谷拓汰(新3年)のクロスを合わせ、2点目のゴールを奪った。

「自分、ドリブルとか抜けなくて、クロスからしか点に絡めないと最近思い出したので、簡単にサイドへ。左サイド(の岩谷)がクロス上手くて、来てくれると思ったので信じていました。決勝戦なんで、やらなくちゃいけないという気持ちがあった。いつも決めきれなくて。でも、信じて出してもらって、自分が決めて勝てたので嬉しいです」

 試合前には「いつもだったら『今日、点取らないと』と言っているんですけど、今日はずっと、『チームのために』『チームのために』と言っていた」。“決勝戦”でチームの結果に繋げようとした思いが、大一番で結果に結びつけた。

 体力面に自信を持つFWは一番下のチームにいた頃からベンチプレスやスクワッドなどを繰り返して筋力向上に取り組んできた。そしてこの日は前線で走り回り、身体を張って、守備面でも優勝に貢献。けが人もいたことによって、湯澤を先発に抜擢した萬場努監督は「器用なんですよ。ちょっと出過ぎです。でも、マジメで、一生懸命で、成長著しい。今、試合に気にせずに使えるようになっている」と賞賛していた。

 湯澤がサッカーを始めたのは小学校6年生の時と遅い。FCKASUKABE時代は「練習いつも100パーセントでやっていたのでメンバーには絡んでいたんですけど、出れていなかったです」という。だが、全く実績のないアタッカーは隣県の強豪、明秀日立進学を決意。150cm台で身体も非常に小柄だったという当時、「遠くまで行って頑張れるのか」と心配する声もあったというが、努力でその不安をかき消している。

 アンダーアーマーチャレンジカップで結果を残した。だが、彼の目標はまだまだこの先にある。「(自分は)2年間全国に絡めていない。親とかいつも前向きに送り出してくれて、そういう人に感謝の気持ちを込めて全国へいきたい」。結果は残したが、勝負はこれから。必ず、自身が全国で活躍する姿を支えてくれた人たちに見せる。

(取材・文 吉田太郎)
アンダーアーマーチャレンジカップ2017 SPRING

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