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「『ユナイテッドに入りたい』と思われるチームに」…鹿児島MF松下年宏、“地元クラブ”への思い

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鹿児島ユナイテッドFCのMF松下年宏

[4.2 J3第4節 F東23 1-2 鹿児島 夢の島]

 33歳を迎えた男は、今季から地元・鹿児島に新天地を求めた。「一番必要としてくれるチームでやりたいという思いがあった」という鹿児島ユナイテッドFCのMF松下年宏は、“一番必要としてくれたチーム”への恩返しとなる移籍後初ゴールを記録した。

 この日の対戦相手はかつて所属したFC東京のU-23。メンバー表にはかつてともにプレーしたMF梶山陽平の名前だけでなく、オーバーエイジとしてFW前田遼一、DF吉本一謙、GK大久保択生の名前もあり、「テンションが上がった」という。「FC東京への思いがあったし、カジ(梶山)も一緒にプレーした選手だったので、そういう選手との対戦は楽しみでもあった。メンバー表を見て、レベルの高い選手が出てくるということで、すごいワクワクした」。

 序盤こそ主導権を握られ、「FC東京の若い選手が躍動している時間帯もあった」ものの、体を張った粘り強い守備で得点を許さずに前半を折り返す。すると後半開始直後の6分に値千金の先制点を奪取。右サイドからFW藤本憲明がPA内で待ち構えるFW中原優生にパスを打ち込むと、中原の落としに対して松下が走り込む。「ファーサイドは相手いたのでGKもそっちに飛ぶだろうなと思い、ニアを狙って打った」というシュートは相手選手に当たると、「いい感じでゴールに行ってくれた」とループ気味にゴールマウスに収まった。狙い通りのゴールとはいかなかったかもしれないが、「ゴールはゴールなので」と笑い自身の移籍後初ゴールに喜びを表した。

「新しいカテゴリー、新しいチームで取る最初のゴールというのは、やっぱり感慨深いものがあります」。その後も正確なプレースキックで好機を創出するだけでなく、守備面でも貢献し、声を出してチームメイトを鼓舞し続ける。すると、チームは後半28分に藤本のPKでリードを広げると、F東23の反撃を抑えて2-1の勝利で2連勝を飾った。

 1983年10月17日生まれの33歳。02年に鹿児島実高からG大阪に加入すると、新潟、FC東京、仙台、横浜FCを渡り歩き、プロとして15年間を過ごしてきた。そして、今季から地元クラブである鹿児島ユナイテッドFCに加入。「一番必要としてくれるチームでやりたい思いがあって、その中で最初に声を掛けてもらえたし、(三浦泰年)監督と一緒にやってみたいと思った」と移籍の理由を話すと、地元にできたクラブへの思いを語った。

「地元にようやくできたクラブなので、そこをJ2、J1に押し上げていきたい。鹿児島はサッカー熱が高い地域なので、地元の選手たちに『ユナイテッドに入りたい』と思ってもらえるようなチームにしたいという思いがあります」

 三浦監督は、多くの経験を積んできた松下に大きな期待を寄せている。「メンタル的にも戦術的にもリーダーになることを要求している。33歳だけど、まだまだ成長できると思うし、彼の成長がチームを引っ張ることにつながる」。指揮官の期待を松下本人も感じているようで、「監督から厳しいことも言われるけど、僕自身がチームメイトに伝えられることもあるし、監督の下でもっともっと成長したいと思う」とその期待に応えようとしている。

 現在のカテゴリーはJ3。当然、「チームとしてJ3優勝、J2昇格という目標がある」と上を目指していくことになるが、「サッカーを楽しみながら成長し続けて行きたい」と自身もチームと同じように成長を遂げていこうとしている。

(取材・文 折戸岳彦)
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