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[プレミアリーグEAST]終了間際に横浜FMユースMF山田が同点弾、大宮ユースとドロー

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後半45分、横浜F・マリノスユースMF山田康太が同点ゴール

[4.8 高円宮杯プレミアリーグEAST第1節 大宮ユース 1-1 横浜FMユース 味スタ西]

 高円宮杯U-18プレミアリーグが8日に開幕し、EASTの大宮アルディージャユースと横浜F・マリノスユースとの試合は、1-1で引き分けとなった。大宮ユースが粘り強い守備から先制に成功したが、横浜FMユースは、試合終了間際の90分にセットプレーから同点弾を叩き込み、辛くもドローに持ち込んだ。

 横浜FMユースで今季から指揮を執る西谷冬樹監督が「開幕戦の難しさなのか、前半は、動きが硬かった」と話したとおり、試合の立ち上がりは、大宮ユースのペースだった。相手が外から中へ入って来るところでボールを奪い、サイド攻撃でチャンスを作り出した。前線のプレッシャーも積極性があり、前半14分には、FW氏川匡がGKにプレッシャーをかけ、ロングパスをブロックしたボールがゴールに入りかけた。また、FW奥抜侃志のドリブルで何度も敵陣へ押し込み、右MF大室慶将らが絡んでゴールへ迫った。大塚真司監督が「やろうと思って来たことを堂々とやってくれていた」と評価した戦いぶりで試合を優位に進めた。

 一方、苦しんでいた横浜FMユースは、両サイドを広げた間に縦パスを通して反撃。FW岩城大助が相手の背後へ流れ、MF塚田裕介やMF山田康太が連動してチャンスを作り出した。後半に入ると、完全にペースを逆転。主将の山田は「自分のプレーでチームを引っ張っていこうと思ったけど、最初は大会の雰囲気に飲まれた。ただ、前半、自分がずっとマークされているなと思ったので、前半の終わり頃に(相手のマークを引き連れてスペースを空けるために)一度逆サイドに行くなど工夫した。選手間で良くしていくための話し合いもハーフタイムでできていた」と逆襲の過程を振り返った。

 後半8分には自陣ゴール前のピンチを脱し、左MF椿直起のドリブルからカウンター。クロスを塚田が合わせてビッグチャンスとなったが、シュートはゴール右に外れた。12分にFW岩城のミドルシュートがあり、13分には後半からの出場で躍動したMF土佐陸翼が中央から鋭いドリブルシュート。16分にはMF堀研太のシュートを相手GKが弾き、岩城がこぼれ球を狙うシーンもあった。

 しかし、大宮ユースはピンチの連続を主将であるGK宮崎浩太朗がしのいだ。20分、横浜FMユースは、土佐の浮き球のパスを山田が胸トラップからボレーでゴールへ飛ばしたが、相手GK宮崎のファインセーブに阻まれた。そして、大宮ユースは我慢が実った。21分、左MF植松亮が左サイドから中央へパスを入れると、ワンツーのような形で抜け出し、ファーサイドへのシュートでゴール。苦境に立たされながらも先制に成功した。

 その後は、攻める横浜FMユースと守る大宮ユースの展開。大宮ユースは後半開始時の選手交代によって右DFからFWに移っていた吉永を元の位置に戻して耐えていたが、最後の最後にゴールを破られた。横浜FMユースは、後半45分、左サイドで得たFKから堀のキックに山田が頭で合わせて同点とした。「普段は、キッカーとして並ぶけど、時間もなかったし、この場面で2人は要らないと思った。『オレが決めて来るから』と言って、中に入った。ヘディングは得意だし、決められて良かった」という山田の好判断が奏功した。

 試合は、1-1の引き分け。難しい試合を勝ち切る寸前まで持ち込んでいた大宮ユースの大塚監督は「悔しいの一言に尽きる。選手が頑張って点を取ってくれた中で、勝ち点3で終わらせてあげられなかった」と口惜しさをにじませたが、今後に向けては「もう少しボールをリズム良く持つサッカーを展開できたのではないかと思う部分もあり、それは今後、成長していってくれるのではないかと思う」と引き分けスタートからの成長に期待をかけた。横浜FMユースの西谷監督も「前半の途中からは良かったけど、最初からできるようにしたい」と改善点を挙げた。1年をかけた長期戦は、幕を開けたばかり。各チームがどのような変化を見せるのか、注目される。4月15、16日に行われる第2節では、大宮ユースは鹿島ユースと、横浜FMユースは柏U-18とそれぞれ対戦する。

(取材・文 平野貴也)
●2017プレミアリーグEAST
●2017プレミアリーグWEST

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