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PK2本の危機も「自分にチャンスが来たな」…浦和GK西川、“心理戦”制してシャットアウト

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PKをストップした浦和レッズGK西川周作を仲間が祝福

[4.11 ACLグループリーグ第4節 浦和1-0上海上港 埼玉]

 守護神が絶対絶命の危機を救った。2度のPKの危機をしのぐだけでなく、幾度となくゴールを脅かされながらも上海上港(中国)の前に立ちはだかり、完封勝利に導いた浦和レッズGK西川周作は「勝って良かった」と安堵の表情を浮かべた。

 3月15日に上海上港のホームで行われた第3節で、浦和は2-3の敗戦。ゴールマウスを託された西川は、前半アディショナルタイムにPA外まで飛び出してクリアを試みたが、そのボールを相手に奪われると、エウケソンにがら空きとなったゴールにロングシュートを決められていた。だからこそ、この日のホームでの試合に懸ける思いは強かった。「アウェーで不甲斐ないプレーをしたので、絶対に取り返したい強い気持ちで臨んだ」。

 前半44分にFWラファエル・シルバのゴールで先制した浦和だったが、後半は同点に追い付こうとする上海上港に押し込まれる時間帯が続く。そして、後半19分にはMF柏木陽介がPA内でMFオスカルを倒してしまい、PKを献上。決められれば同点に追い付かれる危機的な状況となったが、西川は落ち着いていた。

「うまく『無』になれたんじゃないかなと、試合後に振り返ると思う。“ここぞというところで止められるGK”を常に意識している部分があったので、『自分にチャンスが来たな』とメンタル的にも落ち着いて構えることができた」

 キッカーを務めたオスカルが右足でボールを右側に蹴り出すと、西川も反応。右手で弾いたボールはクロスバーを叩き、ゴールを守ることに成功。さらに同30分にはFWリュ・ウェンジュンのクロスがPA内のDF槙野智章の手に当たってしまい、再びPKを与えてしまう。そして、キッカーに名乗りを上げたのは、またもやオスカルだった。しかし、ここで西川はメンタル的に優位に立っていると感じていた。

「キッカーが一緒だったので、メンタル的に向こうの方が間違いなくプレッシャーが掛かっていたと思う。先に動かずに相手が蹴る瞬間に動こうと思っていた」。オスカルが蹴り出したボールはゴールマウスを捉えることができず、枠上に外れて危機を逃れた。

 そして、その他の場面でも好反応を見せてシュートをストップし、ゴールにカギをかけた守護神は、チームを1-0の完封勝利へと導く。「無失点で終われたことは自信になる。これを継続することが大事だと思うので、無失点を続けられるようにしっかり準備したい」と力強く語った。

(取材・文 折戸岳彦)
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