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[プレミアリーグWEST]「そんなところ通すんか!?」相手選手も舌を巻いた広島ユースMF川村の高精度パス

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後半12分、先制ゴールを喜ぶサンフレッチェ広島ユースMF川村拓夢(中央)

[4.9 高円宮杯プレミアリーグWEST第1節 阪南大高 1-1 広島ユース ヤンマー]

 今年のプレミアリーグ最注目のレフティーが開幕戦からハイレベルなプレーを見せた。サンフレッチェ広島ユースMF川村拓夢(3年)はトップチームの宮崎キャンプにも参加している大型レフティー。開幕前に「新しいボランチ像をつくっていきたい」と意気込んでいたMFは、対戦相手も驚く質を見せつけた。

 阪南大高は4バックと両SHが並ぶような形で最終ラインのスペースを消し、中盤の選手が運動量多く動いてパスコースを限定。徹底守備で広島ユースの攻撃を封鎖しようとしてきた。その中で川村は味方3バックの位置まで下がってボールを引き出し、ゲームメーク。「(トップチームでも)左足のパスとかロングボールとかパスは通じましたね」という自慢のパスで相手を苦しめる。

 ゆっくりとさばいて攻撃を組み立てているように映る。だが、阪南大高CB吉田伸弘主将(3年)は「7番の選手(川村)はロングキック上手くて。『そんなところ通すんか』というところを何本も通されました。(阪南大高がスペースを消して)『そこは通れへんやろ』というところで、空いてくるところへピンポイントに来るんで怖かったです」。相手がギリギリ届かないような位置へ狙って、それを連続で通す精度。そのパスが昇格組・阪南大高にとって脅威となった。

 川村はゴールでも相手を驚かす。後半12分、MF川井歩(3年)の右クロスのこぼれ球に反応。コントロールから左足の弾丸シュートをゴールへ突き刺した。「(これまで対戦してきた相手であれば)枠には来なかった」という一撃。パス、シュートで魅せ、守備面でも相手のカウンターに対応するなど奮闘した川村について広島ユースの沢田謙太郎監督は「ケガで出遅れていたけれど、難しい局面でしっかりとプレーできるようになってきたかなと思いますね」。本人が口にする課題は守備と運動量。課題を日々の努力で改善し、注目ボランチは今後もハイレベルなプレーを見せ続ける。

(取材・文 吉田太郎)

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