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[プレミアリーグWEST]トップチームで成長加速の逸材守護神、広島ユースGK大迫のプレミア開幕戦は痛恨ドロ―に

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サンフレッチェ広島ユースGK大迫敬介

[4.9 高円宮杯プレミアリーグWEST第1節 阪南大高 1-1 広島ユース ヤンマー]
 
 U-20日本代表の正守護神候補にとっては悔しすぎる幕切れとなった。1-0で迎えた後半45分、阪南大高は右CKからニアサイドへ飛び込んだCB吉田岳晴(3年)がヘディングシュート。サンフレッチェ広島ユースGK大迫敬介は吉田の動きに気づいて飛び出したもの、伸ばした手の先でヘディングシュートを打たれ、痛恨の同点ゴールを喫してしまった。

 この日は味方が圧倒的にボールを支配したため、前半は被シュートゼロ。ボールを触る機会の少ないゲームだった。その中でも相手のCKを確実な判断でキャッチし、後半30分にはMF中村成龍(3年)の右足FKをファインセーブするなどさすがのプレーも見せていた。

 だが、相手の前への勢いを感じながら迎えた失点シーンのCK。「自分が処理すれば終わるという責任感があった」という大迫は自分が弾く、もしくはキャッチすることでその勢いを止めようとした。だが、果敢な守備が裏目に。「あれは自分が出るべきボールではなかった。あの(シュートの)軌道からして自分があそこ(ゴール前)にとどまって構えていれば止められたと思います」と唇を噛んだ。

 3月13日に広島とプロ契約を締結。3月のサニックスカップ準決勝で東福岡高に2-1で勝った試合を最後にトップチームでのトレーニングに専念し、ユースチームでの試合には参加していなかった。試合勘の少なさと連係面の難しさを感じ、それをチームメートとのコミュニケーションを取ることなどによって改善しようとしたが、今回は結果に繋げることができなかった。

 それでも、トップチームの日々によって学び、成長できている実感がある。「大きいですね。色々な選手のプレーだったりを見ることができますし、特に(林)卓人さんだったりは凄く見習える部分が多いので勉強になっています」。プロ入りしたGKが良く口にするのはトップチームの選手のシュートスピードやパススピードの違いについて。逸材と評される大迫もスピード感の違いに悩み、戸惑いながらも、日々の経験を成長に繋げようとしている。

「プロの練習に入って一番感じるのはパススピードだったり、トラップしてからシュートまでのスピードが極端に上がってなかなかついていけないことなんですよ。移動の速さとかもなかなかついていけなくて、そこで苦戦しているんですけれども、卓人さんとか見ると低い姿勢のまま移動も速かったりなので、自分も練習しています」。

 7月に18歳となる注目守護神は2年後の19年U-20W杯では大黒柱として期待されるが、今年5月開幕のU-20W杯での先発奪取を本気で狙っている。昨年のAFC U-19選手権で無失点Vを成し遂げているGK小島亨介(早稲田大)やGK廣末陸(FC東京)らライバルは多いが、「抜くのは簡単ではない。そこはトップのレベル高い人の中で成長したい」。今年は基本的にトップチームでトレーニングを積みながら、ユースチームで公式戦に出場していく予定(4月12日ルヴァン杯新潟戦でベンチ入り)。ユースでの全国タイトル獲得、トップチームデビュー、そしてU-20W杯での活躍も狙うGKは貪欲に成長を遂げて、自身に課している目標を一つでも多くクリアする。

(取材・文 吉田太郎)

●2017プレミアリーグWEST

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