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U-18オランダ代表戦で勝ち越しゴールの高校選抜左SB杉山弾斗、進化の実感を結果に

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12日にデュッセルドルフ市内でトレーニングを行った日本高校選抜。左SB杉山弾斗(右)がMF住永翔(青森山田高→明治大)と笑顔でウォーミングアップ

 強敵との対戦が自身のプレーを進化させている実感がある。欧州遠征中の日本高校選抜は現地時間11日、U-18オランダ代表と30分×3本の練習試合を行い、2-2で引き分け。1-1の同点から一時勝ち越し点となるゴールを決めたのが、左SB杉山弾斗(市立船橋高)だった。

 オランダDFは外へ開いた味方SHにボールが入った時のプレッシャーが速く、杉山はSHの外側からオーバーラップすると攻撃に間に合わないと感じていたという。そこで2本目はSHの内側から攻め上がることにチャレンジ。その狙いが良い形で得点に繋がった。攻め上がっていた杉山はFW町野修斗(履正社高)と上手く入れ替わる形で前線へ飛び出すと、町野のラストパスからGKとの1対1を制してゴールを奪った。

 遠征初戦のアルメレ・シティ(オランダ)戦(10日)でも出場30分間で7、8回ものオーバーラップ。「(欧州の相手に対して)攻撃はしやすいですね。ラインが高いし、(相手のSHが自分に)付いてくるわけでもないので、SBがSHに食いついたら結構簡単に行けてしまう。(今後も)フリーで抜け出せる回数やオーバーラップできる回数は増えると思います」。攻撃性能の高さがウリのSBはドイツでも良さを発揮できる手応えがある。

 杉山は2月にU-18日本代表のスペイン遠征に参加。その後日本に戻った際に凄く余裕を持ってプレーできた感覚があったのだという。その状態を維持することの難しさも知ったが、今回、欧州遠征に来て、そのスピード感の中でまたレベルアップできている感覚がある。特に攻撃面については自信に。「(オーバーラップの)タイミングと回数、スピード乗った時っていうのはいいプレーできる時ですし、そのタイミングが掴めてきている」

 日本高校選抜は13日に第55回デュッセルドルフ国際ユース大会開幕戦で地元のフォルトゥナ・デュッセルドルフと対戦。杉山の攻め上がりは見どころのひとつになりそうだ。「勢いを持って攻撃したり、オーバーラップの回数を増やしてチャンスを作ることができたらいいと思います」。

 自身が不在の市立船橋はプレミアリーグEAST初戦(9日)で鹿島ユースに1-2で敗れた。主将としてその場にいられなかった代わりに必ず成長して帰国する意気込み。自分の武器で強敵の守りを切り崩して、またレベルアップする。

(取材・文 吉田太郎)
●日本高校選抜欧州遠征特設ページ

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