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15日の2連戦連勝へ、日本高校選抜が「相手を走らせない」「スペース埋める」守備とビルドアップ再確認

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守備練習のメニューを実施する日本高校選抜の選手たち

 第55回デュッセルドルフ国際ユース大会開幕戦でフォルトゥナ・デュッセルドルフに2-0で快勝した日本高校選抜は一夜明けた14日、デュッセルドルフ市内でトレーニングを行った。

 白星スタートを切ったものの、細かなミスが多く、コンセプトを十分に表現できなかった内容について選手、コーチ陣は納得していなかった。この日のトレーニング前のミーティングでは、黒田剛監督(青森山田高)が選手たちに初戦の反省点について問い、全員が課題を共有。強化合宿から通してやってきたことを表現できなかったことから、この日はスペースを埋める守備や相手を走らせない守備、ビルドアップの精度とスピード、そしてクロスからのシュートの部分を強調したトレーニングが行われた。

 黒田監督は「何となくやってしまうというのを防ぎたいというのがあった」と守備トレーニングについては選手同士がコミュニケーションを取りやすいメニューを準備。自発的な指示の声や笑い声も良く出るなど雰囲気の良い中でトレーニングは進められた。

 その後フォーメーションを組んでのビルドアップ練習ではGKからCBやボランチに素早く展開してサイドチェンジやSBのオーバーラップ、クロスを交えてシュートまで行く攻撃の形を繰り返した。重視されたのは1本1本を大事にすること。特にアタッカー陣だけが黒田監督に呼び出されて声がけされ、ゴール前で精度を欠いたシュートが出ると、「しっかり決めるか決めないかで締まるんだ!」(黒田監督)「最初からやれよ!」(MF住永翔主将、青森山田高→明治大)と厳しい声が飛んだ。

「やらないといけない雰囲気になった」(MF松本泰志、昌平高→広島)ことで選手たちの精度が高まり、ゴールに対する貪欲さも高まったように映った。そしてFW 町野修斗(履正社高3年)やFW 安藤瑞季(長崎総科大附高3年)、FW伊藤龍生(米子北高→鹿屋体育大)がクロスをゴールへ沈めるとボールを繋いだ選手たちからも歓声が起こっていた。

 約1時間30分のトレーニングは明るいムードとピリッとした部分の両方があった。指揮官は「次の試合は今のままじゃマズイという危機感を持ちながらのところなので。昨日は少しゲームの中でのコミュニケーションやコーチングが足りなかったこともあるし、単純なミスも多かったから、ビルドアップの形とコーチングをなるべく多くできるような形にして意図的にそういう部分を誘い出したような感じでやりました」と意図を説明。開幕戦はピッチコンディションの悪さを差し引いても十分な内容とは言えなかっただけに、同じ失敗を2度としないようにチームは引き締めてトレーニングを終えた。

 15日はマインツ(ドイツ)、ザルツブルク(オーストリア)との2連戦。松本は「明日2つ勝てば大きいと思うし、チームとしても波に乗っていけると思う」と連勝を見据えた。課題を繰り返さないように意識し、声を掛け合ってしっかりと修正して勝利に繋げるだけ。DF渡邊泰基(前橋育英高3年)が「結果を一番に残したいと思っているし、みんな優勝したいと思っている」と語るデュッセルドルフ国際ユース大会で優勝するために、日本高校選抜が「ヤマ場」の2連戦を乗り越える。

(取材・文 吉田太郎)
●日本高校選抜欧州遠征特設ページ

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