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「レッズの選手がうらやましいと思った」…埼スタのピッチに立った札幌MF小野、試合後浦和サポに伝えた思い

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北海道コンサドーレ札幌MF小野伸二

[4.22 J1第8節 浦和3-2札幌 埼玉]

 埼玉スタジアムが大きな歓声に包まれる。後半34分に途中出場した北海道コンサドーレ札幌のMF小野伸二は11年以来、約6年ぶりに、かつてのホームスタジアムのピッチへと送り込まれた。

 98年に清水商から浦和に加入した小野は3年半在籍すると、01年にオランダのフェイエノールトに移籍。06年に浦和に復帰して2年間を過ごし、その後はボーフム、清水、ウェスタン・シドニーを渡り歩いて14年6月に札幌に加入した。そんな小野にとって、リーグ戦で埼玉スタジアムでプレーするのは、清水在籍時の11年6月18日(第16節)以来となった。

 ピッチ脇に立つと大きな拍手が贈られ、「拍手かブーイングかどっちかなと思っていたけど、たくさんの人が拍手してくれたので、すごくうれしかった」。そして、ピッチに入る際には浦和サポーターから“愛のある”ブーイングを浴びせられたものの、「『ブーイングだ』と思いながら入っていきましたが、それも当たり前のこと。うれしい限りです」と振り返った。

 限られた時間の中でのプレーとなったが、かつてのホームスタジアムでのプレーは「最高の一言です」と白い歯を見せる。「たくさんのサポーターが毎試合駆け付け、ああいう環境でサッカーができる浦和レッズの選手たちが、すごくうらやましいと思ったし、そこでプレーできたことも感慨深かった」。

 試合後、札幌のサポーターへのあいさつを終えた小野は、浦和サポーターへもあいさつ。「いつも浦和レッズを応援してくれて、ありがとうございますという意味」を込めて頭を下げ、浦和のファン・サポーターへ感謝の思いを伝える。すると、ファン・サポーターは頭を何度も下げる小野に対し、大きな拍手と歓声で応えた。「こんなにたくさんの方が毎試合駆け付けてくれるのは、すごく有り難いこと。自分がここにいたときに当たり前のように思えていたことが、当たり前じゃないと気付き、うらやましさがあります」。

 古巣の置かれた環境に「うらやましさ」があると語る一方で、「今日も多くのコンサドーレのサポーターが来てくれた」と札幌のファン・サポーターには「似たものを感じる」ようだ。出場機会が限られる現状かもしれないが、「コンディションを高いレベルでキープして、いつでも試合に出れる準備をしながら、試合に出たら良いパフォーマンスを見せていきたい」と、背中を押し続けてくれる熱いサポーターに、今後も好パフォーマンスを見せられるようにと準備を続ける。

(取材・文 折戸岳彦)
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