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[Rookie League]仕掛け続けた静岡学園、終盤の奥田2発で日大藤沢に逆転勝ち!

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後半40分、FW奥田友惟の決勝点を喜ぶ静岡学園高

[4.29 Rookie League A Group第1節 静岡学園高 2-1 日大藤沢高 時之栖裾野G]

 関東・静岡の強豪18校の1年生達が90分間ゲームのリーグ戦を通して強化を目指す「2017 Rookie League」の第1節が29日に行われ、A Groupの静岡学園高(静岡)対日大藤沢高(神奈川)戦はFW奥田友惟の2ゴールによって静岡学園が2-1で逆転勝ちした。

 前半は互角の展開。進藤和真コーチが「全体的に守備のところはやってきたことができたと思う」と振り返ったように、日大藤沢はドリブラー揃う静岡学園に対して守備のバランスの良さやチャレンジ&カバーのところでしっかりと対応。前後半ともにビッグセーブを見せたGK石塚翔大の好守もあって失点せずに試合を進めた一方、MF青木駿人の配球などから3年前のエースFW田場ディエゴ(現国士舘大)を兄に持つMF田場クリスティアンとMF布方叶夢の両翼の仕掛けなどからゴールを目指した。

 対して斉藤興龍コーチが「(入学から1か月間は)ボールを持つことから始めている」という静岡学園は個々がキープ力を発揮するが、ドリブルで行き過ぎてボールを奪われたり、細かいパス交換のところでミスが起きてボールを失うシーンが多かった。それでも、MF朝倉廉、MF小山尚紀、MF松村優太の2列目がDFを振り切ってシュートまで持ち込むなど“静学らしさ”も随所で発揮。右SB田中太晟の攻撃参加などもアクセントにチャンスを作り出した。

 試合は日大藤沢が先手を取った。後半7分、左サイドの田場が入れたラストパスのこぼれをMF柏木舜太郎が右足でゴール右隅へ決めて1-0。日大藤沢はその後、ボールを持たれる時間帯が増えたものの、中央では相手に良い形を作らせない。逆にカウンターから相手ゴールを脅かした。

 それでも、2点目を奪いに行く気持ちが強すぎたか中盤でできたスペースを静岡学園に突かれてしまう。後半36分、静岡学園は中盤中央のスペースを突いた朝倉がスルーパス。PAに侵入した小山を日大藤沢DFがスライディングタックルで止めると、主審はPKスポットを指差した。紙一重のプレーでPKを得た静岡学園は奥田が右足シュートを思い切り蹴り込んで同点。試合を振り出しに戻した。

 さらに40分、静岡学園は左サイドを小山がドリブルで攻略。深く切れ込んでから出したパスをFW岩本悠輝が繋ぐと、最後は奥田が右足でゴール右隅を射抜いて逆転勝ちした。最後まで諦めずに仕掛け続けて勝利した静岡学園の斉藤コーチは「どちらかというとまだ一人ひとりでやっている」と指摘したが、それでも個でこじ開ける選手になることは求めているところ。ボールを持つ部分、繋ぐ部分も「初心に戻って。コツコツやって」“静学らしさ”をより表現できる選手を上のカテゴリーに送り出す。
 
 一方、敗れた日大藤沢の進藤コーチは「(去年)6-1で負けたので、先輩の分も取り返そうと。準備してきたことをできていた時間帯の方がある。この時期の結果よりも先の方が大事。勝たせてあげたかったですけど、これが繋がれば」と前向き。焦らず、先を見据えて強化を続ける。

(取材・文 吉田太郎)
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