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柏U-18出身ルーキー東洋大DF坂本涼斗が先発デビューで手応え、「アシストがしたい」

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先発デビューで存在感をみせた東洋大SB坂本

[5.3 関東大学1部L第3節 日本体育大1-3東洋大 江戸陸]

 手応えあるデビュー戦だった。東洋大のルーキーDF坂本涼斗(1年=柏U-18)は3日に行われた日本体育大戦で先発に抜擢されると、右SBとして果敢な攻撃参加で見せ場をつくった。試合直前のミーティングで告げられた先発出場。「いつ言われてもいいように準備はしていましたけど、あ……はい。という感じでした」とその瞬間を恥ずかしそうに振り返るが、ピッチでは堂々と立ち居振舞った。

 東洋大の古川穀監督は「プレシーズンから本当にいいプレーをしていた」と坂本への評価を口にする。登録の関係や上級生を中心に組むなかで、開幕戦でのメンバー入りはならなかったが、初めから指揮官は坂本を“戦力”と見ていた。第2節で起用する可能性もあったものの、筑波大戦を見据えてのトレーニングマッチ同日に、坂本は関東大学連盟U-19合同練習へ参加。ゆえに出場は見送られた。

 それでも中2日での3連戦、2戦目にあたる第3節・日本体育大戦で出番はやってきた。右SBで先発して、攻撃で見せ場を演出。1-1の後半4分には、相手のクリアを敵陣右で拾い、中央へ素早く折り返す。味方のヘディングシュートは枠を外れたが、精度高いボールだった。また2-1とした後には守備でも奮闘。日体大FW太田修介(4年=甲府U-18)がPA右まで切れ込んできたシーンでは、先輩DF浦上仁騎(3年=大宮ユース)とともに身体を投げ出し、ブロック。攻守に駆け回った坂本は3-1の後半42分に交代。チームはそのまま逃げ切り、1部復帰後初勝利を飾った。

 指揮官は「今回は連戦というのもありましたし、スタートで起用しても十分いけるなというのは、プレシーズンでも見せてもらっていたので。そういう部分でやってくれたなと思います」とデビューを果たしたルーキーを労う。

 本人も「自分が思っている以上にはできたかな」と頬を緩ませ、「自分のストロングの攻撃の部分は関東1部でも、少しは通用するのかなという手応えはありますね」と胸を張った。「試合数をこなすことで実力はついてくるので、1試合1試合を大事にして、自分の課題をひとつひとつ克服したい」。

 柏レイソルU-18から東洋大へ、大学サッカーへ舞台は変わった。「東洋もレイソルもパスサッカー。自分は何年間もパスサッカーをしてきていたので、そこを活かせたらいいなと思っています」と言う。大学で対戦を楽しみにしているのは、やはり柏U-18時代のチームメイト。なかでも、小学校3年生の頃からの「顔なじみ」という法政大DF城和隼颯(1年=柏U-18)との“再会”を心待ちにしているようだ。

 「背が小さい分、フィジカルが弱いので、そこが俺の課題になってくると思います」と表情引き締めたルーキーは「アシストが好きなので、アシストがしたいです。浮き球できれいにヘディング……とかがかっこいいので。そういう感じが好きなので、できたらいいなと思います」と声を弾ませた。まずはデビュー戦を終えた。ここから経験を積んでいく。

(取材・文 片岡涼)
●第91回関東大学1部L特集

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