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「ヴェルディで成功したい気持ちが一番大きかった…」 琉球MF富所悠、かつての“ライバル”から2得点と大暴れ

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2得点を奪ったFC琉球MF富所悠

[5.6 J3第7節 F東23 0-3 琉球 味フィ西]

 かつての“ライバル”チームから今季初ゴールを含む2得点を叩き込んだ。先制点の起点になるなど、FC琉球の全得点に絡んだMF富所悠は試合後に充実した表情を浮かべた。

 まずは前半開始早々の2分、右サイドから富所が蹴り出したFKの流れからMF田辺圭佑が放ったシュートはGK波多野豪に弾かれたものの、DF才藤龍治が蹴り込んで先制点が生まれる。そして、富所の今季初ゴールが前半30分に飛び出した。MF名倉巧からスルーパスを呼び込んでPA内に進入すると、「トラップした瞬間に両脇にDFがいたので、すぐに打とうと思った」と右足から放ったシュートは波多野の股を抜いてゴールネットを揺らした。

 さらに前半36分には名倉とのパス交換から才藤が右サイドをえぐって中央に折り返すと、「こっちまで流れてくると思った」とファーサイドで待ち構える富所の元へと届き、右足で豪快にネットに突き刺して自身2点目を記録。すると、「そんなにゴール、ゴールという欲を出すタイプではない」富所が、「ハットトリックはなかなかできないので、さすがに2点取ったら少しだけ欲が出てきた」と3点目を狙いにいった。

 後半も積極的にボールに絡んで攻撃にリズムをもたらすだけでなく、自身もゴール前に顔を出してゴールを狙う。しかし、後半26分に放った直接FKがポストに弾かれるなど、富所に3点目は生まれず。両チーム最多となる6本のシュートを放った男は、「今年はまだ点を取っていなかったので2点取れたのは良かった。でもFKも含めてチャンスがあったので、そこを決めていれば…」とハットトリックを逃して苦笑した。

 1990年4月21日生まれの27歳。東京Vの下部組織で育ち、09年にはトップチームに昇格し、プロ初年度にはJ2リーグ7試合に出場した。しかし2年目の出場はゼロに終わり、11年に長野、そして12年に琉球とプレーの場を移した。東京Vに在籍した頃には、「FC東京には負けられないと昔から言われていた」ようで、かつての“ライバル”FC東京のU-23との試合で2得点を奪ったことに、「そんなに燃えるタイプではないけど、とにかく勝てて良かった」と白い歯を見せる。

 東京Vの下部組織で育ったからこそ、「ヴェルディで成功したかったという気持ちが一番大きかった」ようだが、「でも、あの頃は好き勝手にやっていた部分もあったので」と当時を振り返る。しかし、東京V退団から7年目を迎え、「今はいろいろな経験をして、私生活やサッカーへの取り組み方も変わったと思います」と自身がサッカー選手として成長してきたことを実感している。

 現在の目標は「もう一回J2でやりたい」とはっきりと話す。「それが琉球というチームとして上に行くのか、個人として行くのかは分かりませんが、もう一度あの舞台でプレーしたい。成長した今の自分で、もう一度J2でやってみたいですね」と力を込めた。

(取材・文 折戸岳彦)
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