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キャリア初の退場…涙の筑波大MF三笘薫「プレーで信頼を取り戻す」

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ドリブル突破で見せ場もつくった三笘(左)だったが退場に

[5.6 第91回関東大学1部L 流通経済大3-1筑波大 たつのこ]

 泣き腫らした目で丁寧に言葉を紡いだ。筑波大は流通経済大に1-3で敗れ、今季初黒星。昨季から続く公式戦連勝は10で止まった。後半3分に2枚目の警告を受けて退場した筑波大MF三笘薫(2年=川崎F U-18)は「迷惑をかけてしまった。僕のせいで負けたといっても過言ではないので……」と唇を噛む。

 前半終了間際に既に警告を受けていた三笘だったが、0-1の後半3分に自陣内でDF小野原和哉(3年=磐田U-18)と競り合った際、足を高く上げてしまい、二枚目の警告を受けて退場。うなだれながらピッチを後にした。

「イエローを一枚もらっていた中で足を上げて……というのは、自分の立ち位置とかを考えた上でのプレーではなかったので、まだまだ未熟だなと思います」。キャリア初の退場だった。

 数的不利となった筑波大はそこから2失点。終盤にセットプレーで1点を返したが、1-3で試合は終了し、202日ぶりの公式戦黒星となった。試合後、ロッカールームから出てきた三笘は泣き腫らしたような赤い目を浮かべていた。涙の理由は悔しさよりも「申し訳ない」という気持ち。「筑波に関わる全ての人たちに申し訳ない、チームに対して申し訳ない。そういう想いでした」と言う。

「軽いプレーだったと思いますし、一つひとつのプレーにもっとこだわっていかないといけないなと感じました」と反省を繰り返した三笘。チームメイトから「切り替えていこう」と前向きな声をかけられたほか、小井土正亮監督からは「一度信頼を失ってしまったのだから、プレーで返していくように」と話があったようだ。

 「しっかりとプレーで返していきたい。次に試合に出ることができたら結果を出したいですし、信頼を取り戻していきたい」と静かに誓った2年生MFは「勝利のためにもっと走らないといけないですし、チームのためにもっとやっていかないといけない」と力を込めた。この経験は無駄にはしない。

(取材・文 片岡涼)
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