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ベイルのクラシコ先発に残った疑問…“Bチーム”の優れたパフォーマンスがジダンを悩ませる?

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 もしリーガ・エスパニョーラ第33節のクラシコでMFガレス・ベイルが先発していなかったらどうなっていただろう? この仮説はマドリディスタの頭から離れることはなく、むしろその疑問はますます強くなる一方だ。それほどまでにリーガ・エスパニョーラ第34節、リアソールで行われたデポルティーボ戦での“Bチーム”が見せたプレーは人々の印象に残るものだった。

 ベイルはケガから回復するための時間をもっと確保すべきだったのかもしれない。いずれにしろジネディーヌ・ジダン監督の決断は誤りであったという見方が強まっている。結果として、ベイルが離脱する2~3週間の間、ジダンはFWクリスティアーノ・ロナウド、FWカリム・ベンゼマに加えて、最前線を形成する選手選びに頭を悩ませることになるだろう。

 最も有力だと思われるのはMFイスコだ。このマラガ出身のプレイヤーはデポルティボ戦で傑出したパフォーマンスを披露し、自身の状態が素晴らしいレベルにあることを改めて示した。チャンピオンズリーグ(CL)決勝トーナメント準々決勝、サンティアゴ・ベルナベウで開催されたバイエルン戦では先発でプレーしていたし、リーガ・エスパニョーラ第32節のスポルティング・ヒホン戦でもエル・モリノンで目を引くプレーを披露した。しかしそれでも、クラシコ先発に向けてジダン監督を十分に納得させることはできなかったようだ。「たられば」を言ってもバルセロナの劇的勝利という結末は変わることがないが、これほど安定したパフォーマンスと優れたコンディションを見せつけられては、ベイルの代わりに先発していれば、という思いを簡単に忘れることはできない。

 しかも、そう思わせるのはイスコだけではない。若いMFマルコ・アセンシオも先発への扉をノックするプレイヤーだった。ふてぶてしさやスピード、そして得点力は十分にベイルの代役としての働きが期待できる。今シーズンのアセンシオの成長は目覚ましく、クラシコの高い要求レベルにも対応できるだけの入念な準備ができていた。バイエルンとのファーストレグで決勝点をアシストしたように、ビッグクラブ相手にも怯む様子はなく、キックオフからピッチに立っていたとしても震えるようなことはなかっただろう。

 さらに、MFハメス・ロドリゲスやFWアルバロ・モラタ、FWルーカス・バスケスといったプレイヤーも、クリスティアーノ・ロナウドやベンゼマが戦術の中心に据えられたバルセロナ戦のシステムに十分適応できただろう。リアソールでは3人とも優れたレベルのパフォーマンスを披露し、シーズンのラストスパートに向けて高いフィジカルコンディションを維持している。シーズンも終盤に差し掛かった今、白い巨人を率いる指揮官にとっては非常に頼もしい存在だ。

 トップコンディションにあるガレス・ベイルがレアル・マドリーの中心選手であることに疑問の余地はない。しかし、ケガからの回復を急ぎフィジカルに不安を抱えていたベイルをクラシコで先発させなければならないほど、レアル・マドリーの台所事情は悪くはないのだ。リアソールで見せた“Bチーム”のハイレベルなパフォーマンスは、その思いをより一層強くさせ、サポーターの頭を悩ませている。

 リアソールで行われた試合の2日後、“Aチーム”に名を連ねたのはイスコではなく、ハメスであった。シーズン最終盤に向けて、ジダン監督による序列が見て取れたが、優勝という大団円を迎えることができなければ、マドリディスタの不満が噴出する可能性があるだろう。

文=ハビエル・ボネド/Javier Boned

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