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人種差別チャントに試合放棄で抗議したムンタリ「これが僕の色」「どんどん酷くなっている」

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試合放棄で差別に抗議したMFサリー・ムンタリ

 Jリーグでも問題が起きているが、サッカー界から差別行動への問題がなくなることは残念ながらまだない。4月30日に行われたセリエA第34節では、ペスカーラのMFサリー・ムンタリが、試合中の人種差別的なチャントに対して抗議する形で自らピッチを去る事件が起きた。

 同試合でムンタリは差別的チャントを辞めさせるように主審に進言。しかし逆にムンタリが警告を受けることになってしまった。ただこの時点で退場ではなかったムンタリだが、自ら試合放棄を選択し、ピッチをあとにした。当初、イタリアサッカー連盟(FIGC)はムンタリに対して1試合の出場停止処分を課したが、ムンタリの異議を認め、処分を取り消した。

 『BBC』のインタビューに応じたムンタリは、改めて人種差別に屈しない姿勢を示している。

「差別はどこでもおこなわれているし、どんどん酷くなっている。地獄みたいだった。まるで犯罪者のように扱われたんだ」

「僕がフィールドを去ったのは、人種差別を受けてまでピッチに残るのは正しくないと感じたからなんだ。これが僕の色だ。今日や明日、また同じようにされたら、またピッチから出ていくつもりです。他の選手たちもそうすべきだと思う」

 差別問題の解決にサッカー界が本気になって取り組むべきだとも訴えている。

「FIFAもUEFAも、自分たちのことしか考えていない。もし彼らが人種差別に立ち向かおうとしたら、すぐにこの問題に取り組めるのに。だけど彼らは何の声明も出さない。もっと大ごととして考えるべきだ」

「(FIFAの)インファンティーノ会長はおそらく何かアクションを起こしてくれるだろう。彼は他の人とは違ったマインドを持っているから。彼なら差別問題に立ち向かうための手段を講じられるはずです。彼には人種差別に対して徹底的に戦ってもらいたい」

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