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退任報道のトゥヘルが心境を告白…夏以降の去就には「私が答えることではない」

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 ドルトムントは13日に行われるブンデスリーガ第33節でアウクスブルクとのアウェーマッチに臨む。トーマス・トゥヘル監督は前日の会見で、ここ1週間の報道に関する質問に答え、心境を語った。

 ハンス・ヨアヒム・バツケCEO(最高経営責任者)は先週末に公開されたインタビューで、トゥヘル監督との間に確執をうかがわせた。それらの発言がドイツ国内で大きな波紋を呼び、全国紙『ズュートドイチェ・ツァイトゥング』では同監督に対しての、選手やスタッフによる批判の言葉が引用されるなど、退任報道に発展していた。

 数日前にオランダメディアの取材に応じた際、去就について「少なくともアウクスブルク戦ではドルトムントの監督を務めるだろう」と笑いながらかわしたトゥヘル監督だが、今回の会見でドイツメディアに立ち向かうことになった。「当然、余裕ではなかった」と切り出す同監督は、次のようにこの1週間を振り返っている。

■心境を吐露

「今週に入ってから、私に対する虚偽、個人的に屈辱するような報道がたくさん出回っている。そのうちの多くは匿名人物による発言に基づいており、大きく度を超えていたと感じている。これらに立ち向かうのは非常に難しい。そして、今シーズンを素晴らしいものにするために、自分の気持ちを我慢するという義務も感じている」

 疲れ切った様子ながら気持ちをこめて話す同監督。2018年までとなっている現行契約を延長し、来シーズンもドルトムントで指揮を執ることは考えられるのだろうか。

「以前、契約延長には時間をかけたいと話したことがある。来シーズンもここで監督を務めることを確信しながらそう話したんだ。新契約は監督に対する表彰状ではない。今後のことについて話し合い、ともに歩む道を決めるために、時間をかけたいと考えた。当然そういう質問をされることは理解できる。だが、このような1週間を過ごしたのだから、『もちろんさ、(契約延長は)問題ないよ』と言うのは無邪気すぎると思う」

「最終的には、私が答えるような質問ではない。私は従業員だ。我々はシーズンの目標を成し遂げようとしている。これからも険しい道のりが続くが、良い形で進めている。そのほかに関しては、少しばかりの忍耐と距離が必要」

■CEOとの話し合いとチームへの影響

 今回の報道の発端となったのはバツケCEOによるインタビューでの発言。この件について両者は話し合いを行ったのかと聞かれると、同監督は「ノー。簡単なことではない。スポーツ面で失敗したという話ではないからね」と否定。その件については、先月のバス爆破事件も関係していることを示唆しつつ、具体的なコメントは避けた。

 またチームはこれら報道をどう受け止めているのだろうか。

「もちろん影響はある。影響がなくて済むと思うのは甘いだろう。チームには週明けに、『ホッフェンハイム戦のパフォーマンスが台無しになってしまったこと、みんなで勝利のために戦ったことが評価されなかったことを申し訳ないと思う』と話したね。すべての注目が私に集中し、匿名の批判によりチームもダメージを受けた。だがそれらを変えることはできない。シーズンの終盤に臨むために集中しなければいけないが、それが何倍にも難しくなっているのが現状だ」

 匿名のメンバーからの批判により、自身のチームを見る目が変わったのか。

「匿名の選手による発言を引用するのは最低レベルの報道。それも本当なのかすらわからない。なので、そんなことに時間をとったりしないし、ドレッシングルームでいわゆる”モグラ”を探すことは絶対にない。私と選手たちの間には最大限の信頼関係が存在する。それがなければ、我々が見せてきたパフォーマンスは可能なはずがない」

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