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[MOM2123]國學院久我山MF三富嵩大(3年)_久我山の新たな名手。後半「変わった」MFは圧巻ミドルも

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後半7分、國學院久我山高MF三富嵩大が右足ミドルを決めて6-2

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[5.21 全国高校総体東京都予選1次予選2回戦 日大豊山高 3-11 國學院久我山高 駒沢第2]

 まだ大舞台での活躍がないために全国的な知名度は高くない。それでも今年、FC琉球で活躍している新人MF名倉巧から背番号14を受け継いだ國學院久我山高MF三富嵩大(3年)はこの夏、注目度を一気に高めるかもしれないボランチだ。

 この日は1点差に迫られて迎えた前半37分、右サイドでのパス交換からリターンを受けると、中央への動きでDFを外して左足でゴール。そして清水恭孝監督からチーム全体が「タイトルを獲るんだ」という気迫不足を指摘されて迎えた後半の7分には弾丸ミドルをゴールネットに突き刺した。

 清水監督はその三富について「後半、変化していた」と評価していたが、三富はボールを奪う、ゴールへ迫る部分で迫力を増すなど誰より危機感を持ってプレーしていた。ハーフタイムに指揮官の厳しい言葉を受けて、自分が何をしなければならないのかを再確認。華麗なパスワークの中心になりつつ、他の面でも責任感を持ってプレーした結果だった。

 昨年は期待に応えることができなかった。選手権予選で帝京高に敗れた試合も出場時間は5分ほど。チームを勝たせる存在になることができなかった。14番を背負う今年は自分が、という思いを増しているが、なかなかそれを表現することができず。自身への物足りなさも感じていた。

「去年とか自分がやらないといけない一人だったのに試合にも出られない時期が続いて、今年に入って名倉くんから14番もらって責任とかチーム勝たせないといけないと思ってやっているんですけど。ミドルとかは監督からもどんどん打っていけと言われているんですけど、今までチャレンジできなかった」。それだけに、「変わった」この日の後半のプレーは今後の飛躍へのきっかけになるかもしれない。

 守備面、運動量の面ではまだまだ物足りない部分もあるが、その技巧、正確なキック、DFを剥がすドリブル、スルーパス、得点能力の高さ……と全国でも十分に活躍できるレベル。目標は14番の前任者で2年前にチームを全国準Vへ導いた名倉、そしてボランチの先輩MF知久航介(現・筑波大)だ。

「名倉くんはずっと目標で入学した時からずっと憧れていました。自分は今ボランチなので、去年知久くんが中盤を支配していたんですけど、あのようなところが理想なのでもっと守備とかやっていかないといけない。もっと点取れるボランチになりたいし、守備でも試合を決められる存在になりたい」 
 
 今年、名倉や知久が成し遂げた全国2位を越えて日本一を成し遂げるか。久我山の新たな名手が会場を沸かせると同時に、強い思いを持ってプレーしてチームを勝利へと導く。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2017

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