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エース小川航基を失った影響とは…U-20日本代表・内山監督「残念なところがあった」

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担架でピッチを後にするFW小川航基(磐田)

[5.24 U-20W杯GL第2節 U-20日本 0-2 U-20ウルグアイ 水原]

 白星スタートを切ったチームの勢いは、南米王者に止められた。U-20ウルグアイ代表に完封負けを喫したU-20日本代表の内山篤監督は、「拮抗したゲームにしないと厳しいと選手に話していた中で、結果的に0-2で敗戦したのは非常に残念です」と振り返った。

 いきなりエースを失うことになった。前半16分に負傷したFW小川航基(磐田)がプレー続行不可能と判断され、同20分にFW久保建英(FC東京U-18)がピッチへと送り込まれる。緊急事態に陥った日本の前半のシュート数はわずかに1。攻撃の形を作れずに苦しむだけでなく、同38分にはウルグアイに先制点を献上してしまった。

 後半に入ると、日本はFW岩崎悠人(京都)、久保、MF三好康児(川崎F)、MF堂安律(G大阪)らが中心となり、細かいパスワークからウルグアイゴールに迫る。押し込んでいるように見えたが、指揮官は「ボールを持たされていた」と話すと、「相手がどう守っているかを選手たちが早く気付かないと」と続ける。

 1点をリードしているウルグアイは守備に重心を置きながら、カウンターから追加点を狙ってくる。特に中央の守備には人数を割いており、「サイドに起点を作らないとどうしても難しい部分があった」。小川がピッチに立っていた序盤は「サイドを起点に何とかやっていた」ものの、小川が負傷したことで「高さがたりないという残念なところがあった」とターゲットマンがピッチを去ったことでサイド攻撃の回数が減少。そして、「真ん中、真ん中」と中央突破を試みる回数が増えていき、奪いどころが明確となったウルグアイの守備の網に捕まってしまった。

 実際に選手たちも小川を失った影響を話している。「ロングボールやクロスの量が少なくなると思った」(三好)、「ゴールキックも下からつなぐことになったので厳しかった」(岩崎)、「高さがなくなり、サイドからのクロスが難しいと感じたので、中を強引にでもこじ開けようとした」(MF市丸瑞希)。

 エースを欠いた状況でも決定機は作った。しかし、後半10分の市丸のループシュート、こぼれ球に反応した久保のヘディング、そして同13分の久保の左足シュート、こぼれ球に反応した堂安のヘディングに同22分の久保のスルーパスから放った岩崎のシュートとゴールを脅かした。だが、ネットを揺らすことはなく、「相手のミスを突いてフィニッシュへ持っていくところで、最後は差があった」と内山監督は決定力の差を悔やんでいる。

 病院に向かったという小川の症状は明らかになっていないが、中2日でグループリーグ第3節イタリア戦を迎える。指揮官は「まずは疲労回復。中2日だし、ケガ人も出ている。メンタルも含めて球際でどれだけ戦えるかが大事」と語ると、「3位での決勝トーナメント進出は考えていない。まずは、しっかり次のゲームをモノにしていく」と次戦の必勝を誓う。

(取材・文 折戸岳彦)
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