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ハリルの大ナタ!!西川、森重、清武外して4人を初招集「私のやり方はこうだ」

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招集を見送られたMF清武弘嗣、GK西川周作、DF森重真人

 大ナタを振るった。日本代表バヒド・ハリルホジッチ監督は25日、都内のJFAハウスで記者会見を行い、6月7日のキリンチャレンジ杯・シリア戦(味スタ)、同13日のW杯アジア最終予選・イラク戦(テヘラン)に臨む日本代表メンバー25人を発表。15年3月のハリルジャパン初陣から常に招集してきたGK西川周作(浦和)、DF森重真人(FC東京)が落選し、代表常連のMF清武弘嗣(C大阪)も招集を見送られた。

「この合宿では少しの変更を加えている。戦略に関してもあるが、何人かの選手のパフォーマンスに私が満足していないというのも含めている」。記者会見でそう切り出すと、その後、ビジョンに映し出されたメンバーリストには多くのサプライズがあった。

 GKでは3月の代表戦から西川とGK林彰洋(FC東京)が外れ、故障から復帰したGK東口順昭(G大阪)に加え、GK中村航輔(柏)がA代表初選出となった。「長い間、西川、林を追跡してきたが、現在のパフォーマンスにはあまり満足してない」。厳しくダメ出しする指揮官が白羽の矢を立てたのは22歳のリオデジャネイロ五輪代表GK。「(GKの序列で)5番目ぐらいの選手だった」が、「ここ最近、素晴らしいクオリティーを見せている。柏は2位につけているが、彼のパフォーマンスによるところが大きい」と、Jリーグで“神セーブ”を連発する中村の招集に踏み切った。

 最終ラインではDF宇賀神友弥(浦和)、DF三浦弦太(G大阪)が初選出された。宇賀神については「長い間ずっと追跡してきた選手。彼のクラブの監督とも話したが、4バックの左として考えている」と、左サイドバックとして考えていることを明言。「過去にもこのポジションはいろんな選手をトライしたが、今度は彼の番だ。29歳。すごく若いというわけではない。経験もある。この合宿でどのような活躍を見せるか様子を見てみたい」と期待した。

 そして大きなサプライズの一つが森重の落選だ。13年7月の東アジア杯以降、ザックジャパン、アギーレジャパン、そしてハリルジャパンと常に代表メンバーに名を連ねてきたが、約4年ぶりに代表から漏れる結果となった。「森重という選手がA代表でずっと先発を張っていた。丸山もいたが、ちょっと満足することができなかった」と、センターバックでも三浦という新戦力を抜擢した。

 三浦について「ここ2か月、この若い選手が特にフィジカル面でいいパフォーマンスを見せている。デュエルの空中戦、地上戦も強い。後ろからの組み立てでも賢さを見せる。この若い選手を信頼したいと思う」と高い評価を口にし、「ちょっと植田を抜いているかなと思う。植田は少しケガもある。彼がこの合宿中にどのような活躍をするか見てみたい」と、今季清水からG大阪に加入した22歳に期待を寄せた。

 中盤でも清武を招集せず、「彼は清武との競争だった」というMF倉田秋(G大阪)を選択。さらにはMF加藤恒平(PECベロエ・スタラ・ザゴラ)をサプライズ招集し、実に4人のA代表初選出者がリストに加わった。「キーパーに関してもフィールド選手に関しても、パフォーマンスが良ければここに入る。私の場合、リストには必ず変更がある」。そう強調した指揮官はあくまで現時点のパフォーマンスを重視したと説明する。

「私は就任当初から同じ発言をしているが、より良い選手に資格があるということ。現在のパフォーマンスでチョイスしているだけ。みんなに門が開いているということ」。そのうえで今回招集を見送った西川、森重、清武らに関しても「彼らを完璧に外したわけではない」と指摘。「『外した』という言葉はあまり使わないでほしい。外していない。より良い選手を選んだというだけだ」とフォローした。

「彼らにもしっかり説明したい。しっかりトレーニングして、良いパフォーマンスを見せて、席を奪えと言いたい」。今後の奮起に期待するハリルホジッチ監督は日本人プレイヤー全員に向かって「パフォーマンスに関して、これでは満足できないなという考えでチョイスしている。私は代表ではその基準を崩さない。今まで日本では使われていなかったやり方かもしれないが、私のやり方はこうだ」と力強くメッセージを送った。

(取材・文 西山紘平)

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