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赤字クラブ倍増、J2愛媛とJ3盛岡は2期連続赤字

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グルージャ盛岡愛媛FCとともに2期連続赤字となった

 Jリーグは26日、2016年度のクラブ経営情報の速報版を開示した。3月決算の柏レイソルジュビロ磐田Y.S.C.C.横浜を除く50クラブの情報が公表された。なお北海道コンサドーレ札幌は、16年度の決算期変更に伴い、当事業年度は13か月となっている。残り3クラブを含めた開示は7月にされる。

 J1、J2、J3クラブ合計の事業規模は約930億円となり、前年度と比較すると約55億円増加。11年度以降では6年連続の増加となった。同時に営業費用も約53億円の増加となっており、拡大均衡が続いている。

 クラブ単位の営業収益では、33クラブが増収。鹿島アントラーズが約12億7100万円の大幅増を記録。リーグ優勝とクラブW杯出場による試合数の増加などの影響が出た。ガンバ大阪も吹田スタジアムに本拠地が移ったことで入場料収入が増加。約8億6400万円の増収となった。

 しかしJ1上位クラブが収益を上げた一方で、厳しい決算となったクラブもあった。クラブライセンスの取得に影響する3期連続赤字および3期連続債務超過のクラブはゼロとなる見込みだが、単年赤字クラブは増加。15年度はJ1、J2で4クラブだったのに対し、16年度はベガルタ仙台ザスパクサツ群馬FC町田ゼルビアツエーゲン金沢京都サンガF.C.カマタマーレ讃岐愛媛FCV・ファーレン長崎の8クラブに。J3では15年度が2クラブだったに対し、16年度はグルージャ盛岡福島ユナイテッドFCガイナーレ鳥取FC琉球の4クラブに増えた。特に盛岡と琉球はJ3で1億円を超える赤字を計上。ユニフォームスポンサーなどの広告料収入で苦戦した。

 会見した青影宜典クラブライセンス事務局クラブライセンスマネージャーは「赤字クラブが増えた要因についてはクラブ毎にいろいろあると思う。これから各クラブにヒアリングをして確認をしたい。J3で1億円を超える赤字を計上した2クラブに関してはかなり細かいヒアリングが必要になる」と話した。

 また、愛媛と盛岡に関しては2期連続赤字となった。17年度も赤字を出すことがあれば、クラブライセンスが認められないことになる。青影クラブライセンスマネージャーは、「愛媛と盛岡に関しては16年度の決算が着地する前から赤字を出せば、2期連続赤字になるとアナウンスしていた。17年度は予算を策定する段階から意識するようにお願いしている」。

 またクラブ幹部の資金私的流用が問題になった盛岡については、「私的流用の事件が発覚したのが昨年の9月なので因果関係についての説明は難しい。ただ(16年度に関しては)影響はそんなにはなかったのではないかと思う。今後損失額についてはクラブから報告を受けながら確認していきたい」と補足した。

 チーム人件費も前年比約22億円増加するなど、拡大均衡が続くJリーグだが、一方で“クラブ間格差”も拡大している。また今期からはDAZNの放映権料という莫大な資金が投入されることから、今後はこの格差がさらに如実となっていくことが予想される。

■16年度純利益
▽J1(▲は損失)
仙台(▲1億1900万円)
鹿島(6億1000万円)
浦和(1億7300万円)
大宮(0)
3月決算
FC東京(8300万円)
川崎F(2億1700万円)
横浜FM(1000万円)
湘南(300万円)
甲府(800万円)
新潟(9700万円)
磐田 3月決算
名古屋(1億4900万円)
G大阪(2000万円)
神戸(2900万円)
広島(3億1200万円)
福岡(2100万円)
鳥栖(900万円)
J1合計(16億2200万円)

▽J2
札幌(0万円)
山形(300万円)
水戸(400万円)
群馬(▲3800万円)
千葉(5700万円)
東京V(300万円)
町田(▲5300万円)
横浜FC(100万円)
松本(1億4300万円)
金沢(▲600万円)
清水(3700万円)
岐阜(300万円)
京都(▲2億8400万円)
C大阪(800万円)
岡山(700万円)
山口(5300万円)
讃岐(▲1600万円)
徳島(1400万円)
愛媛(▲5800万円)
北九州(200万円)
長崎(▲1億3800万円)
熊本(800万円)
J2合計(▲2億5000万円)

▽J3
盛岡(▲1億5800万円)
秋田(100万円)
福島(▲1500万円)
栃木(200万円)
YS横浜 3月決算
相模原(100万円)
長野(400万円)
富山(900万円)
藤枝(600万円)
鳥取(▲5200万円)
大分(6400万円)
鹿児島(300万円)
琉球(▲1億2700万円)
J3合計(▲2億5300万円)

(取材・文 児玉幸洋)
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