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[MOM2128]神村学園DF中島賢悟(3年)_全試合無失点で勝ち上がる神村の守備の柱!兄の思いも背負って全国へ

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神村学園高CB中島賢悟

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[5.26 全国高校総体鹿児島県予選準決勝 神村学園高3-0 鹿児島高 鹿児島県立サッカー・ラグビー場A]
 
 攻撃陣に注目が集まる神村学園高のDFの柱には、攻撃よりも「DFとしての意地」があるだろうと感じていた。ここまで5試合全て無失点。守備陣の支えが神村学園の攻撃をより迫力あるものにしているのは間違いない。だが、CB中島賢悟(3年)は「DFラインでも攻撃で勝てと言われているので。そこは前の人たちとやることは変わらないです」と微笑んだ。

 もちろん、ゴールを守ること、チームのバランスを取ることも大事だが、DF陣も強く持っている攻める意識。その中島はこの日、ポゼッションの中で前方にスペースがあれば何度もドリブルで持ち上がり、攻撃をスピードアップさせていた。ビルドアップに加え、フィードにも自信を持っているDFは攻撃面でも欠かせない存在だった。

 一方で、この日特に目立っていたのは守備面だ。神村学園は立ち上がりから圧倒的にボールを支配して攻めながらも鹿児島高の好守の前になかなか得点することができなかった。後方の選手たちにとっては焦れてもおかしくないような展開。その隙を突いて鹿児島は前線で起点を作り、速攻を繰り出そうとしてきた。だが、中島はコンビを組むCB野見山智也(3年)やダブルボランチの選手たちと連係を取って鹿児島に速攻を許さなかった。

 スペースへのボールを的確にカバーしながら、前へ出る守備や空中戦でも奮闘。ミスもあったが、アグレッシブなディフェンスが光っていたDFは「(相手の)シュートはゼロだったのでそこのところは良かったと思います」と被シュートゼロでの完封勝利を喜んでいた。

 全国への強い思いがある。中島の兄、CB中島宏大(現東海学園大)は2年前の神村学園の主将。兄の世代は選手権予選は鹿児島城西高に、総体予選も鹿児島実高にいずれも延長戦で敗れて全国に届かなかった。だからこそ、弟は兄の悲願でもある全国出場を果たす意気込みでいる。

「尊敬している。その分も借りを返したい。兄からも『俺たちの分も頑張れ』と言ってもらっています」。有村圭一郎監督も認める守備陣の成長。その中心にいるCBが兄の思いも込めて決勝を戦い、全国切符を勝ち取る。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2017

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